見出し画像

ナイジェリア貧困地区のバレエ教室

ナイジェリアの雨が降り注ぐ路上でバレエを踊る少年の動画がSNSで話題になっている。

https://www.instagram.com/p/CBjt6B-A0aM/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading

どろどろの路上で、裸足で見事に踊る少年。足が痛くならないのだろうか。うしろに映りこんでいる人は洗濯でもしていてそれに夢中なのか、あるいは少年が踊っているのはいつものことで慣れているのか、そもそも興味がないのか、振り返って見ようともしないのが印象的である。

この少年アントニー君はラゴスの貧困地区アジャンバディのバレエ教室「リープ・オブ・ダンス・アカデミー」に通う12人の生徒のうちの1人。

「貧困地区のバレエ教室」というのは、殆ど「黒い白熊」とか「良い悪人」のような形容矛盾と言っていいくらいの存在だ。

バレエはルネサンス期のイタリア発祥、フィレンツェのメディチ家からフランスの王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによってフランス宮廷で広まり、太陽王ルイ14世は自ら巧みに踊るだけでなく、王立舞踏アカデミーを設立するなど、体系化を進めた。その後様々な変遷を経て様々な流派が現れたものの、いずれにしても鍛錬を積んだダンサーの肢体のしなやかな動きや繊細なチュチュが憧れを誘う「高級な芸術」である。

ここから先は

2,149字
このマガジンは共同執筆で運営されています。SDGsに関する様々な視点や社会課題解決のためのアイデアを得ることが出来るでしょう。

SDGsPicks

¥1,000 / 月

このマガジンは執筆者それぞれが持つ専門的見地から、日々目にする新聞、雑誌等の記事をSDGsの観点から解説することにより、読者様のSDGsに…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?