ナイジェリア貧困地区のバレエ教室
ナイジェリアの雨が降り注ぐ路上でバレエを踊る少年の動画がSNSで話題になっている。
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どろどろの路上で、裸足で見事に踊る少年。足が痛くならないのだろうか。うしろに映りこんでいる人は洗濯でもしていてそれに夢中なのか、あるいは少年が踊っているのはいつものことで慣れているのか、そもそも興味がないのか、振り返って見ようともしないのが印象的である。
この少年アントニー君はラゴスの貧困地区アジャンバディのバレエ教室「リープ・オブ・ダンス・アカデミー」に通う12人の生徒のうちの1人。
「貧困地区のバレエ教室」というのは、殆ど「黒い白熊」とか「良い悪人」のような形容矛盾と言っていいくらいの存在だ。
バレエはルネサンス期のイタリア発祥、フィレンツェのメディチ家からフランスの王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによってフランス宮廷で広まり、太陽王ルイ14世は自ら巧みに踊るだけでなく、王立舞踏アカデミーを設立するなど、体系化を進めた。その後様々な変遷を経て様々な流派が現れたものの、いずれにしても鍛錬を積んだダンサーの肢体のしなやかな動きや繊細なチュチュが憧れを誘う「高級な芸術」である。
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