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山ペンギン 34 コンビニにこんにちは

イマドとコンビニのレジ打ちをしていたら、宇宙人(鳥型)が来た。

「唐揚げ、塩と醤油、2つずつください!」

「ええ!!トリなのに鳥食べるんですか!?」

思わず口をついて出る。

「ええ!!あなた方は哺乳類食べないんですか?」
動揺したらしく、自星の言葉でまたひゆひゆ囀っている。

「あ・・食べますわ・・・」

言われるまで気づかず。イマドが唐揚げ食べてもおかしくないんだ・・・。

「ボクは魚派だからフィッシュフライ食べてるだけなんだけど・・」

2人は500円玉を互いに握りしめてなんだかそわそわしている。

「他に何買おうかな・・・。ドラッグストアも行こうかな・・・」

「買いものって楽しいですね。50円くらいのお菓子とかいうもの欲しいな・・」

お小遣いもらったばかりの小学生のようだ。
そう言えば彼らの星は「貨幣経済」ではないとか言ってたな・・・。

「良かったら飲みものおごりましょうか?」
お金と言うものがないのかもしれない。

「あ、いえ違います。この星のお金はいくらでも(すげえ)利用できるのですが、この500円という限られた金額でどれだけ楽しめるかを試すんです。」
「飲み物は自動販売機とかいうので選びたいんですよ!」
わくわくがこぼれている。

「イマドさんはペンギンのまま働いているんですね。」
「私たちは光学迷彩なんですが、たぶん、彼は認識迷彩を使ってるんでしょうね。」

認識迷彩?
「うちの星系は大概光学迷彩でその星の住人に似せるのですが、他の星系の住人の中には、自身が住む星系以外に行くときに、自分自身とその星の住人の相違点を他者に感じさせないようにすることがあるんですよ。」

「ありのまま受け入れられてしまうと言うか。」

「私たちには通じないんですけどね。」

なるほど・・・。じゃあ、違和感を感じていたオレはなんなんだ・・・。
「オレ君!宇宙人さんが来られてるのね!!」

主任!他のお客さんが動揺しま・・・あれ?
誰も気にしていないようだが、彼ら2人が注目を浴びている。

「・・・あの、我々が厨二病みたいに思われたのではないでしょうか・・」
「・・・自称宇宙人・・・つらい・・・」
宇宙人とバレるより、厨二病と思われるほうが嫌なようだ。
アンタらの星に厨二病はないだろう・・・。



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