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山ペンギン 13 こんびに再

売れない商品はやっばりできる。

厳選して陳列しているのがコンビニストアではあるのだが。

最近はそういう商品を買い込んで、

オレの部屋に主任が飲みに来ることが多くなった。

イマド目当てなのか、オレ目当てなのか、不良在庫の処理目当てなのかは分からないが、

居酒屋などに行けないことも一つの理由だろう。

「オレくん、これ飲みなさい!!」

もう出来上がっている。

「大体さーー。コンビニなんてさー」

「はい。」

「一生働く場所じゃないんだよねー。」

ほぼ、この世界のすべての人がそう思っているかもしれない。
コンビニにすべてをささげる人はオーナーでなければ、フランチャイズの元会社の人間だろう。

「だいたいさー」

最近のクダはだいたい、「だいたいさー」から始まる。

「人間って、なんなのさ!!」

イマドに聞いてくれ。

そんな壮大なテーマがなぜコンビニの批判から出てきたのかさっぱりわからない。

イマドがこたえる。

「人間とは、人間と自身を思っている存在のことではないのかな?」

じゃあ、お前はどうなんだ。

「僕だって、自分を人間だと思えば人間だ。」

絶対に違うと思う。

「何を迷っておられるのですか?」

女神さま!!なぜオレの部屋に出る!?

「人は人として生まれ、人として死ぬのです。それが運命。」

アンタ、人じゃないだろう。しかも運命の話はしてねーよ。

「私が占ってあげましょう。」

アンタ運命司ってるんじゃねえのか!!!!神様だろ!!

「人間とは・・」

タロットカードで一枚ぬいたところ、「運命の輪(wheel of fortune )」だった。

「そういうものです。」

消えた。

どういうものだよ!!!!!

主任が

「思うんだけど、あの女神さまって、何か解決したことあるのかな。」

誰の気持ちもそうだろう。

とりあえず、今度あの泉に行ったら、何か店で売れなかったお菓子でも

放り込んでこようかとも思っている。

「それは環境破壊だから」とイマド。

イマド・・・?オレ、今、声に出したか?

ちなみに、翌日の早番はオレ。朝2時出勤だった。
イマドと主任は酔いつぶれていた(はずな)のだが、

なぜか空き缶はすべてノンアルコールだった・・・。

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