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【結婚】「いい人がいない」「結婚を決められない」なら、まずは出会いの量をこなしてみる!♯030

今から10年前の2014年。29歳だった私の新年の抱負は
今年中に彼氏を作って、結婚するだった。

そう、30歳という一つの区切りが迫っていた年、私はとにかく焦っていた。
27歳のときに、結婚をしてもいいかなと思っていた彼氏と別れて以来、
彼氏という彼氏ができず、結婚式に行くたびに、「私も結婚したい!」と駆られるものの、現状はそうもいかず、どんよりする日が続いていた。

更にさかのぼること10年。18歳の頃、大学進学で上京するやいなや、高熱に襲われ、しばらく飲み食いできないほど弱ってしまい、自分がつらいときにそばにいてくれる家族の存在がどんなに大切かかみしめた経験があった。それ以来、将来、結婚して家族を持ちたいという願望は強固になった。

29歳当時の生活は、毎日、始発で出社し、終電で帰宅。友達が「いつでも結婚できるように家具家電は安いものを必要最低限しか揃えない」という言葉を真に受け、寝るためだけに帰ってくる部屋はとてつもなく殺風景だった。
そんな部屋のど真ん中で、仕事の弱音を分かち合える人もなく、一人寂しく煎餅布団で眠る日々が続いていた。

精神が安定しなかったのか、当時、深夜に目が覚め、冷蔵庫を物色して、ゴハンを食べてしまう謎の行動習慣が出ていたのもこの時期だった。

子供が好きで、学生時代から子供と遊ぶボランティアにもよく参加していた私。自分も子供が欲しいと思っていたので30歳までのカウントダウンが始まっていることが焦りでしかなかった。

同じく体裁を気にする親も30歳を目前にしながら結婚しない私に対して焦っていた。
正月早々、帰省をするも、「いつ結婚するんや」「お見合いをしてやるから」とこっちだって焦っているのに、あーだこーだ言ってくる両親。
25,6歳のとき、両親の薦めでお見合いをしたものの、先方は上司から嫌々連れてこられた人で、そんな人とはもちろん何も起きなかった。
既にそれで懲りているので、「自分で決めるからいい加減にしてくれ」と言い、あと数日滞在すうる予定だったけれど、戻る日にちを早め、実家を後にした。

もう待ったなし。これは30歳になるまでになんとかしなかれば。よし、これはもう行動目標を立てねばならない!
と決めたものがこれ。
"1月から3月まで週1で出会いの場をつくり、彼氏をつくる"
だった。
そうと決まったら、とにかく週1で合コンの予定が入るように、友人に片っ端から連絡して合コンのセッティング。時に心配してくれる上司を巻き込みお願いすることも。
何も発展しなかった合コンでも、またそこから芋づる式に別の飲み会をセッティングしてもらった。
これは有言実行。どんなに忙しくても毎週、合コンには必ず行った。
けれどもどれもこれも不発。「いいな」と思う人がいたとしても、向こうにその気がなければ、次の約束も進まない。「ああ、またダメか…」とがっかりするも、そんなことで、落ち込んでいる暇はない。所詮1回の飲み会で出会った人。次の約束に繋がらなかったと言って人生が終わるわけではない。
けれど、それが繰り返し続くと、手詰まり感が否めず、八方塞りになっていた。

季節はいつの間にか移り変わり、どんよりとした4月の花曇りの空を今でも覚えている。

そんな4月の後半、体調を崩していたときに、何気なく「しんどい…」と投稿したFacebookに反応する人がいた。そう、それが今の夫になる、当時の自分と同じ部署の先輩だった。当時夫は39歳だったが、未婚。数少ない社内の30代独身男性だった。同じ部署ではあったが、フロアも違えば、仕事でからむこともなかったので、なんでSNSで繋がっていたのかも記憶にないくらい、疎遠な人だった。けれど、このSNSのメッセージがきっかけとなり、夫と距離を近づき、付き合うことに。そして6カ月後、プロポーズを受けることになる。

前置きが長くなったが、今日は夫との馴れ初めを書きたかったのではない。

よく質か量かの議論が巻き起こるが、ふと、結婚相手を決めるのもこれが当てはまるのかもと思ったからだ。

夫と付き合ってから今年で10年。
今でも当時と同じ感情を持っているかと聞かれると、「はい」とはなかなか言い難い。価値観が違うところは全く違うので、しょっちゅうイラっとするし、言い争いもする。けれど、一緒に過ごしていて、ニュースを見たり、ドラマを見たり、旅に行ったりすると、感動するポイントが似ているし、政治のこと、文化のこと、宗教のこと、「こんな小難しい話やめよう」とも逆に「お前は何もわかっていない。」と言われることもなく、フラットに語り合える関係は、10年間変わっていない。
とはいえ、家庭のことに関して言い争いが起こることはしょっちゅうあるが、「ああ、結婚しなければよかった」と10年前の自分を後悔することは1度もない(たぶん)。
それはなぜかというと、2014年、毎週コンパに行きまくって、いい人がいないか探しまくったけれど、距離を縮められた人は夫しかいなかった。運命の人なんて、そういるわけではない。そして完璧に理想の相手なんていうのも、おそらくいないのだろう。結婚がしたいのなら、自分の繋がりをとにかく増やし、そのなかで「この人だ!」と決めて判断をしなければならない。
また結婚のきっかけが、例えば、転勤や妊娠といった予期せぬライフイベントに合わせてという人もいるだろう。2011年の東日本大震災後に増えた震災婚などもその類に当てはまるのかもしれない。
もし、こういう決断を後押しするイベントがなく、決められない人はどうすればいいのか。私の場合は、とにかく出会いの量をこなして、そのなかで距離が縮まった人(夫)に対して「もう、自分にはこの人しかいない!」と自分を納得させることだった。だからこそ、今、夫とどんなに喧嘩をしても腹が立っても「当時の自分の最善の判断だった」ということは揺るぎないので後悔はしていない。
ちなみに、夫とは妥協して結婚したわけではない。当時から「なんでこんな些細なことでキレられなあかんねん!」「なんでこんなところにこだわるねん」と思うことはあったが、例えば暴力をふるうなど、致命的なことはなかった。話が合うなと思っていたし、機転がきいておもしろいところ、腹が座っていることも頼りがいがあって好きだった。

「結婚をしたいけれど、いい人がいない」「失敗が怖い」という人がいたら、とにかく期限を決めて、人と会いまくること、恋愛を沢山することをお勧めする。ちなみに、私は「好きでもない人と付き合っても時間の無駄」と思っていたけれど、もう少し、オープンな姿勢をとっていてもよかったのかもしれないな、と今となっては思っている。

きっとこれは、婚活以外にも言えること。決められないことがあったら、まずは量をこなしてみる。仕事だってそうなのかもしれない。「自分に合う仕事がわからない」と何も行動せぬままモジモジしているくらいなら、許容できるリスクの範囲内で、小さなことでもいいから何か始めてみればいい。

さて自分もこの人生で得た教訓を、今年は何に活かそうか。

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