【第2章】ネットワーク③:わらしべ長者的アプローチ
うんうん、そういったドメ女達の声もよく聞きます。
確かに、仕事上の理由で自分が勤める会社の海外支部へ駐在した方などは、社内ネットワークを使って知り合いを増やせるかもしれませんが、留学などで今まで一度も行ったことのない国に初めて足を踏み入れる人は、さぞかし心配でしょう。
私が初めてアメリカに留学したばかりの頃も、とても不安で淋しかったのを覚えています。
今でも記憶にあるのが、留学中のランチタイムです。授業が終わると、学生達はお昼ごはんを食べにカフェテリアへとぞろぞろ。いつもの仲間と仲良くランチ、って感じで、数人のグループで楽しそうに食事をしている中、私はいつも一人でした。友達もいないし、皆との会話に混ざろうにも、英語がうまく話せないので、「私があのグループに入っても、浮いちゃうだけだろうな」と思って、仲間に入れてと言えませんでした。
初めての場所で、どう友人を作っていけばいいの?
そんな海外生活で有効なのが、わらしべ長者的ネットワーキングです。
わらしべ長者って?
わらしべ長者という日本の昔話をご存じでしょうか?
今昔物語集や宇治拾遺物語に原話がありますが、簡単に説明すると、「ある一人の貧乏人が、最初に持っていたワラを、物々交換を経て最後に大金持ちになる」というお話です。
この物語、物々交換による経済活動や資産運用の重要さに重きが置かれがちですが、もう1点見逃せないのが、この物語の根幹となる人的ネットワークのパワーです。誰かに出会ったことで、次の誰かにつながり、次の誰かがまた起点となり、更に次の誰かにつながる…。
なんだ、そんなことかと思われる方もいるかもしれませんが、人脈の力を侮るなかれ。人とのつながりによって、自分が思いもよらなかった方と知り合いになり、新たな扉が開かれることが大いにあるのです。
わらしべ長者ってどんな話だったっけ?思い出したい方は、下記をどうぞ。
(出典:#13-1 わらしべ長者 【むかしばなしのおへや~伝えたい日本昔話~】 - YouTube)
わらしべ長者的ネットワーキングのススメ
さて、私の留学時代の話に戻りましょう。
お友達の数がゼロだった私は、当時どうやって友人ができたのか?
それは、留学生同士のネットワーキングでした。
そう、留学生は基本的に皆、単身で大学に来るため、私と同様に、独りぼっちで淋しいという子が多いのです。そして英語がネイティブではないので、英語にもイマイチ自信がない。しかも中国・台湾・韓国・マレーシア・香港・タイなどのアジア系の留学生達は、私と同じアジア系な顔立ちなため、なんとなく親近感大。そして更に、食べたい料理の系統が同じ(お箸文化バンザイ)。
類は友を呼ぶという感じで、留学生コミュニティーの中から友人が一人、また一人と少しずつ増えていきました。
いったん友人ができたら、しめたもの。そこからわらしべ長者式に大学内のネットワーキングが広がり、色々な情報が入ってきます。
「〇〇先生の授業を取ってるの?試験の過去問があるから、あげよっか?」
「進路相談なら、■■先生が親切だよ。今度紹介してあげるね」
「▲▲さんが中古の教科書を売りたいそうなので、必要なら連絡してね」
などなど。人脈の力、侮れません!
人とのつながりによって、自分が思いもよらなかった方と知り合いになり、新たな扉が開かれることが大いにあるのです。
私が運営しているNPO法人JCWも然り。人とのつながりや口コミ、オンラインツールなどを通じて、あれよあれよという間に会が成長しました。2018年の設立当初はたった2人で、ダラス在住の日本人女性のみを対象に活動していたのですが、6年後の2024年には、なんと登録者人数750名まで成長。対象地域もダラスの一都市から20ヵ国へと拡張しました。ここまで会が成長できたのは、人と人とのつながりがあったからに他なりません。
わらしべ長者、はじめの一歩
海外に出たら、はじめの一歩、どうすればいいの?
まずは積極的に地元の活動に顔を出してみましょう。SNSなどのオンラインツールを通じて、さまざまな活動団体を見つけることができます。共通の趣味の人達が集まるオフ会や、日本語を学びたい外国人が集まる会、ボランティアを募る地元の非営利団体など、たくさんの団体がありますので、気になる会やイベントを見つけたら、早速コンタクトしてみましょう。
NPO法人JCWでも、時折り突然、
「ダラス在住の日本人女子留学生です。JCWのウェブを見きました」とか、「ダラスに引っ越してきたばかりの女子です。貴会について知りたいです」
と言ったメールを頂きます。嬉しい限りです!
2022年には、ダラス在住の日本人女子留学生が送ってくれた、たった1通のメールをきっかけに、JCWのダラス学生支部 PAW(SA) を設立するまでに至りました。ネットワーキングの力、本当に侮れません。
自分の行動に責任を持ったグロ女になろう
ただ、インターネットやSNSで見受けられる団体や活動の全てが信用できるかというと、必ずしもそうではないのも事実です。
会の目的は何なのか、定期的に活動している会か、口コミはどうか、写真に写っている人達はどんな人か、何か変な趣旨の活動に勧誘されないかなど、きちんと下調べをすることも重要です。案の定、私も留学時代に、イスラム教へと勧誘されそうになりました…。長くなるので、この話はまた今度。
「この集まり、興味あるけど、一人だとちょっと不安だな」
そんなときは、1回目の集まりは友人と共に参加するのもお勧めです。
結局、自分の身を守れるのは自分だけ。特に海外では日本の常識が通じない場合もあるので、常に高いリスク意識を持っておきましょう。
また、新しくつながったネットワークを自然消滅させてしまわないことも重要です。せっかくお知り合いになっても、ギブアンドテイクでないと、関係性は続きません。自分のニーズや要望をグイグイ押し付けるだけでは、単なる面倒な相手になってしまいます。何か相手にとっても付加価値のあることを提供できるよう心がけましょう。
日本について語れるとか、ボランティアサポートを提供できるとか、何かしらあなたでもできることがあるはず。「あなたの行動=日本人代表」となることも大いにあるのです。「これだから日本人は…」とネガティブな印象を持たれないよう、
自分の行動に責任を持ったグロ女となりましょう。
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