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メタバース空間づくりから考えるコンセプトデザインとは?

どうも!Synamonコーポレートのyukoyamasanこと、山崎です。
今年もあと1か月を切りましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今回は、メタバース空間のデザインを担当しているCGデザイナーの雨ノ宮さんと、プロダクト開発に欠かせないコンセプトデザインについて考えていきたいと思います。
雨ノ宮さんには、前回、メタバースとアートの関係についてお話いただいたのですが、今回は2回目の参戦です!
メタバースのデザインがどのようにつくられているのか興味がある方や、Synamonのプロダクトのデザインがどのようにできているのか興味がある方に読んでもらえると嬉しいです。

コンセプトデザインとは?

漠然としたアイデアや表現を、理解できるイメージに置き換えて、価値あるものにデザインしていくこと

山 崎:「理解できる」というのは見た人たちがということですか?「価値のあるもの」というのは、「ほしい!」と思ってもらえるものといった感じでしょうか?
雨ノ宮:デザインというのは、常に、デザイナーとクライアント、そしてユーザーという三者間で成り立っています。デザイナーはまず、クライアントから依頼のあった漠然としたイメージやアイデアをデザインに落とし込みます。その時、そのデザインは、クライアントが理解して納得できるものでなくちゃならないし、これから手に取るであろうユーザーにとっても価値のあるものにしなければいけない。
山 崎:クライアントはプロにお願いする以上、それに見合った仕事でないと納得できないですもんね。デザインするときは、クライアントとユーザーの両方を満足させるものを提案する必要があるんですね。

Synamonのデザインはみんなのハッピーを目指しています!

目標をデザインによって指し示す

実際のデザインが形になっていく工程をご紹介します。
クライアント、デザイナーのアイデア、関係者の意見をイメージボードに落とし込み、目指すべきデザインを固めていきます。

山 崎:すごく素朴な疑問なんですが、プロダクトのデザインを複数人でするときは、どうやって同じイメージを共有し合っているんですか?
雨ノ宮:社員全員で共通の理解が必要なのでイメージボードを利用しています。まず社内のデザイナー、エンジニア、ビジネス側も含めて何をSynamonとして提案するのか、イメージボードをつくることによって、共通の目標を可視化していますね。クライアントと一緒に同じ方向を向けるまでイメージボードの完成度を上げていきます。
山 崎:そうすることによって、議論が行ったり来たりすることを防ぐんですね。
雨ノ宮:そう!イメージボードをつくることによって、そのままクライアントと共通認識を持ち、時間や作業のロスを減らすこともできるし、またクライアントからのアイデアを引き出すのに一役かっていると思います。

実例:縁日→宇宙空間で巨大金魚すくい

Synamonが2021年にファッションカンパニーのTATRAS INTERNATIONAL様と共同開発したマルチプレイゲーム「VR巨大金魚すくい」を実例としてご紹介します。

「縁日」というテーマから、ファンタジーでカラフルな世界観、
宇宙で大きな金魚をすくうという方向性でデザインを固めた。

雨ノ宮:相談を受けるときは、クライアント側から大枠のテーマをもらうことがほとんど。この時は「縁日」をテーマにしたイベントで、VRを取り入れたゲームを設置したいという相談だったんだけど、みんなでアイデアを出し合った結果、インパクトある世界観で、宇宙と大きな金魚、ド派手な花火でお客さんを喜ばせたいという思いでコンセプトを絞り込みました。
山 崎:話を聞いているだけで面白そうです!!
雨ノ宮:ほんと?!ゲーム終了の時には派手なエフェクトで、花火を打ち上げたり、泳ぐ金魚の軌跡に星がキラキラ流れるようにしたり、ビジュアルにはこだわりました。
山 崎:みんなで手分けしてこだわりを詰め込んだんですね!プレーヤーが着ている宇宙服は、クライアントであるTATRAS INTERNATIONAL仕様なんですね。全体的にカラフルでワクワクすると思います!
雨ノ宮:ありがとうございます!それがデザイナーの醍醐味だと思います!

プレーヤーは巨大なポイでカラフルな金魚をすくう!

日常から学び、デザインに生かす

デザインは何もないところからは生まれない。
デザインしてくださいといわれれば、いくらでもデザインはできる。
ただ、売れるものをデザインしてくださいと言われると、「何で」売りたいかが必要になる。

雨ノ宮:プロのデザイナーなら、やっぱり、デザインに命を吹き込みたいって思います。見た人にびっくりされなくてもいいし、自分の名前が売れなくてもいいんだけど、誰かの心に残るような仕事をしたい!
山 崎:それは雨ノ宮さんのデザイナー魂ですね!
雨ノ宮:いいデザインをする上で、どんなにデザイナーの技術が高くても、企画や演出の部分にマッチしていないと、人の心に刺さらないものになってしまうと思います。映画に例えると、最新のCGを多用し、お金をかけた映画が、必ずしもビッグヒットを飛ばすわけではないのと同じことだと思うんですよ。いくら技術だけ高くても、脚本と演出が面白くないと白けてしまうので。
山 崎:確かにそうですね。ぼんやりしたイメージやアイデアを形にするときって、雨ノ宮さんはどんな情報をもとにデザインを生み出すんですか?
雨ノ宮:自分の日頃見るものや、日頃経験することから、デザインにつながるアイデアが生まれると思うので、何事も意識して見るようにしています。
山 崎:例えばどういうものがデザイナーの仕事に生かされるんですか?
雨ノ宮:ものは知っていてもいざというときに取り出せないと意味がないかですからね。たくさんの知識を蓄えて、いつでもうまく引き出しから出せるようにしておく必要があるんです。例えば、コカ・コーラのペットボトルは、元々ガラスの瓶のデザインを引き継いでいるんだけど、女性の魅力的なボディラインを参考にデザインされていて、さらに持ちやすく飲みやすい。長く今でも愛されているデザインの一つだと思います。(リサイクルの観点からいくと、潰しにくいけどね!)なので、コカ・コーラのペットボトルをメタバース空間内に作る場合には、そういった視点から制作しています。
山 崎:それ知らなかったです!
雨ノ宮:そういった知識も必要なんだけど、+αで、日頃から絵を描いたりとか、ものをつくったりして自分の知識を取り出す訓練をすることもデザイナーとして必要だと思います。

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました!
普段、メタバースのプロダクトデザインをされている方の視点から、コンセプトデザインの話や、デザイナーの心構えなどもご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
私自身、普段同じ組織で働いてはいますが、デザイナーさんの見ている世界を覗くことはなかなかできていなかったので、この記事をとおして、みなさんにご紹介できたことをとても嬉しく思います。リアルなデザイナーのお仕事の話は聞ける場面が限られているかと思いますが、引き続き、少しずつ皆さんにご紹介できればと思っています。

もし、何か学びにつながった方がいらっしゃいましたら、スキ!してもらえると嬉しいです!それでは今回はこの辺で!

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