駅チカ低山ハイキング|神戸・摩耶山へ
春の陽気が感じられる頃に行きたくなるのが、低山ハイキング。
関西を代表する低山と言えば、神戸・六甲連山の西に位置する『摩耶山』だ。標高702mの山で、徒歩はもちろんのこと、ケーブルカーとロープウエイを使って山頂へアクセスすることもできる。
2月の立春を過ぎた頃のこと。春のように暖かな気候だった。ひと足早い春を体感したいなぁと、久しぶりに神戸行きの電車に乗った。
目指すは摩耶山。どんな山旅になるだろう。柔らかな風に胸を高鳴らせて、新神戸駅からスタートした。
布引の滝は観光スポットなので、登山目的以外の人たちもたくさん訪れていた。水の近くは、空気がひんやりと冷たい。滝までの道は、沢の横を歩くルートになっているので、常にさぁさぁと、水の流れる音がしていた。
手軽なハイキングなら、この滝の少し先にある「見晴らし展望台」まででも十分愉しめそう。30分かからないくらいの距離感で、神戸の街と海を眺めることができる。
見晴し台でひと息ついたら先へ進む。ここまでは舗装路が多かったけれど、この先は布引貯水池(ダム)を経て、いよいよ本格的な登山道となる。
ここから山頂に向かって歩く。当初の計画では「トウェンティクロス」と呼ばれる沢道(川沿いの道)を歩く予定だった。けれど実際行ってみると、登山道の真ん中に、どーんと通行止めの看板あり。崩落箇所があるそうだ。
うーん、どうしようかなぁと思った。登山アプリの活動記録によると、通過はできそう。けれど、想像していたよりも危険だったら…。
こういうときは、無理しないほうがいい。危険を感じたら、来た道を戻るか、ルートを変えるかどちらかだ。今回は予定を変更して、すぐ横の尾根道を歩くことにした。
急な登り道が続く。ハアハアと息を切らしながら進んでいった。切りのいいところで、ふぅ、とひと息。2月なのに、十分汗ばむ陽気。暑すぎず、寒すぎず。絶妙な気候の中を歩くのは、最高に気持ちがいい。
振り返ると、木々の隙間から神戸の港がキラキラしていた。神戸の山だなぁ、としみじみ。
山頂のベンチに座り、30分ほど日光浴をして、さぁ今日はロープウエイで帰ろうと山頂にある星の駅に向かう。けれど、どこの入り口も閉鎖されている様子。なぜ?と思い調べてみると、なんと運休日とのこと!(2024/1/9~3/26)
あちゃー。まさか休みがあるとは思わなかったので、下調べしておくべきだったなぁと反省しつつ、急いでルートを再選定して下山した。
下山したのは摩耶ケーブル駅近く。住宅街の片隅に、登山口があった。
そういえば。まだ本格的に山登りを始める前に摩耶山に登りに来たことがある。けれどこのケーブル駅が見つけられなくて、街をさまよったことを思い出した。
これも、山と街が近い神戸の街ならでは。登山口と、思わぬ形の再会である。
プチハプニングはあったものの、それも含めて充実した山歩きとなった。神戸の水源をたどり、山に残る歴史の痕跡を感じた春の旅。心地よい疲労感を味わいながら、帰路についた。
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