私がファシリテーターとして大切にしている3つの礎
今日は、私がファシリテーターとして大切にしている礎をご紹介します。どれも元になった本の文章があるため、そちらとともにご紹介させてください。
1. 信頼が私の仕事
「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」
ファシリテーションを学び始めた人の多くが、「その場にいる人の言葉を待てず、自分が発言してしまう」という壁にぶち当たります。
待つことができないファシリテーターは本当に多い。だからこそ、「言葉はその人が発しないと本人の力にならないのだ」ということを心に刻んでいます。
その場にいる人を信頼して待つ。それが私の仕事だと心得ていますし、実際にそうできるように自己信頼を高めることを心がけています。
自分との約束を守る、自分の気持ちや心に嘘をつかない、など私が自分のことを好きでいられるか、自分を信頼できるかを日々の指針にしています。信頼が大切なんてありふれた言葉だけど、だからこそ、「それを大切にする行動を取れるかどうか」が違いをうむ。
自己信頼の弱いファシリテーターの場で、参加者が信頼や安心を感じることは難しいのです。
ブログでも何度も紹介している本。「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」は、最初のはじめにのページに書かれている一節。好きな本なのでよくオススメしている一冊です。
2. 優しい社会を作るには、まず言葉から
「使う言葉を変えれば、脳も変わる。脳が変われば、他者との関わり合い方にも変化が訪れる。言葉を通してネガティブな社会を作るのか。それとも優しさと協調と信頼に溢れた社会を作るのか。その選択は私たちに託されている」
私は、人間に与えられた「言葉」という能力は人の心に触れられる魔法だと思っています。
人生の中で一時しか一緒に過ごせる時間がなかったとしても、その人をずっと支えるような「言葉」があったりする。人はどんなに愛しい人でもずっと、そばにいて相手を支えるということは出来ません。
好きな人がいて、その人の支えになりたいと思ったら、「相手がその人自身を支える力」を高めるしかない。その手助けになるのが、誰かの表情や言葉だと考えています。
私が対話が広がるといいなと思っている理由は、自分も相手へもより優しく在れる、深い繋がりを感じられる社会がいいなと思っているからです。優しい社会の一歩はまず、言葉を変えるところから。
冒頭の言葉は、この本の最後の一節です。これも繰り返し読みたい本。
3. 場をホールドするのは、自己一致と自分らしさ
ファシリテーター自身の持ち味や感覚がいきている状態で人にかかわっていく。つまりその人がその人自身と一致していることが、場をホールドする力の一つになるんじゃないか。
ファシリテーションに慣れるまで、参加者として「安心して参加できる場と、そわそわしてしまう場の違いはなんだろう」とよく考えていました。何が場の安定感というか支えになっているんだろうと。
その時に繰り返し読んでいてピタッときた言葉がこちら。ファシリテーターが自己一致していて、その人らしい場が、場の安定感があってかつ「そのファシリテーター」の場に参加したいと思わせるなぁと思っています。
自己一致って簡単に書きますけど、かなり難しい。だって嘘をついているつもりはなくても気づかないところに矛盾が生じるって十分あり得るから。例えば、コーチの人が「人の力を信じる」と言っていても、そのコーチ本人が無意識で自分を信じることが出来ていないってありますよね。(もちろん私もあります。)
難しいからこそ、自己一致している人の世界や空間にはちょっとだけでもお邪魔して寛ぎたくなる。その人らしさが溢れた場作りをする人のワークショップは何度でも行ってみたくなる。
自己一致と自分らしさ、も私が日々大切にしていることの1つです。
この本は本当に、年に1度は読み返しているかも。
信頼が私の仕事
優しい社会を作るには、まず言葉から
場をホールドするのは、自己一致と自分らしさ
以上が、私がファシリテーターとして大切にしている礎です。あなたの大切な礎も、ぜひ教えてくださいね。
<おまけ>
最近ネットで見つけたのですが、愛していると言うかわりに「話を聞く」と言う表現も私が大切にしていることを表す表現だなぁ…。