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ポルトガルでレストランの内装工事とその内事情その1

店をオープンさせる準備で必要不可欠なのは、店の内装工事。

私たちの前は、フランス人オーナーのお洒落なボーランジェリー、パン屋兼カフェだった。

厨房の中は、パン屋仕様になっていて、大理石の作業台と、窯を置いていたのであろうスペース、コーヒーを出すカウンターなどがあった。パンの成形に使っていたのであろう大理石は、料理の作業カウンターに、窯などのスペースは、コンロやたこ焼き機を置いて厨房に変えた

たこ焼きコーナーにはこんなポルトガル風タイルも!(by Yuichi)
ポルトガル風タイル、アズレージョの作成風景

日本の食堂や居酒屋と違うところは、どんな店も必ずコーヒーを出すこと。食後にエスプレッソが飲めない店など、ポルトガルでは見たことがない。今でこそ、カプセルでエスプレッソを簡単に出せる機械が売っているけど、一般的なのは、コーヒーのメーカーと契約して、エスプレッソマシーンをそこからレンタルして、そのメーカーのコーヒーを出すことだ。だから、うちもコーヒーマシンを置いて、カフェカウンターも作った。

ホールは、カフェスペースだったので、ほぼそのまま使えそうだ。

ポルトガルでは、レストランなど飲食店を開く時は、食事を出すためのライセンスの所得が必要で、これが時間も、 あらゆる書類を揃える手間もかかって大変なのだけれども、幸いそのライセンスは前のパン屋の時のものがそのまま使えたので、ラッキーだった。

そして、肝心なのは、店のイメージ

物件は、リスボンのバイシャ地区という、歴史的地区に指定されている場所にあり、石造りでとても趣のある、一面ガラス張りの素敵なスペース。歴史的地区にある物件は、規則が厳しく、自分達の好きなようには工事できない。外装は触ってはいけないのが基本で、床もオリジナルの石畳だから変えてはいけない。でもその昔からのスペースがとてもポルトガルらしくて素敵だったので、それをそのまま生かし、そこに日本のテイストを加えて私たちだけの世界観を作ろうということになった。

私の夫、雄一氏は、デザインや絵画、ミュージックフェスのデコレーションをなどをこなすアーティストだが、同時に日本で何件もの飲食店の内装を手掛けた経歴もある。

電気工事などの、免許がないとできない箇所以外は、彼が先頭に立って、自分達で内装工事を行うことになった。と言っても、内装のことは全く素人の私は、足手まといにならないように、必死に手伝うことと、賄い弁当を作ることで精一杯だったけど。

日本から助っ人も一人来てくれて、カウンター作りから、ペンキ塗り、棚づくり、などを雄一氏をメインに毎日自分達で頑張った。

厨房の器具は、ほぼ全てネットで見つけた中古のものばかり置いている倉庫に見に行き購入。家具もほぼ全て中古の家具屋さんでまとめ買い。特に窓際に置いている、昔の大理石のアイロン代をテーブルに変えたものと、映画館で使われていた椅子の組み合わせは、わざわざ写真を取りに来る人もいるくらい好評だった。ライトはポルトガル製の昭和っぽいアンティークのものを付けて。

入って正面に、目に飛び込むの壁の朱色と障子紙を張った木の格子。ホールはうぐいす色。壁には雄一氏の絵画の他に、メニューの黒板などを置き、黒板の額は、アンティークの額をリメイク。

天井裏の部分の格子も手作り
正面は朱色にペイント

そんな感じで、

ポルトガルと日本の二つの文化を融合させた、独時な雰囲気の内装

に仕上げ、たくさんの地元のお客さんにも好評なコメントを頂いた。

内装にかかった時間は、全部で約3ヶ月くらいだったと思う。


オープン当時は、ガラスのショーケースを設置。
カウンター上はポルトガルのアンティークライトを付けて。


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