見出し画像

孤独について

さいきん、ことごとく詩が書けない。インスタの詩の投稿ペースは、明らかに落ちている。

いつも詩を書いていたのは、大学からの帰り道のバスの中か中央線の中。メモを開いて指を動かしているうちに、気づいたら始まって、家の近くに着くまでには大抵、書き終わっていた。バスを降りる前には、インスタの投稿ボタンを押して、家について手を洗って自室でひと息つく頃には何人かからの「いいね」を受け取る。だいたい、いいねを押してくれる人は決まっていて、そういう人からのいいねは「今日も読んだよ」の証で、いつも押してくれないけど珍しくいいねを押してくれた人からのいいねは「珍しく目に止まったよ、いいね」だと勝手に解釈している。それから、読んでいて、いいねと思っても、いいねを押さない人もいる。わたしもそうだからわかる。心の中で、いいね、と思ってスクロールする。それがいつものルーティーンだった。

わたしがさいきん詩を書けなくなったのは、そのルーティーンがなくなったからだって勝手に思っていた。コロナによる自粛生活、オンライン授業で自宅から一歩も出ない日々。わたしのクリエイティブの根源である、中央線とバスがないからだって思っていた。

でも、今日、なんとなくそれが違うってことがわかった。

わたしはコロナによる自粛生活で、孤独じゃなくなった。だから、孤独感から生まれる創作意欲がなくなって、書けないことが多い。

コロナによる自粛生活で孤独感が増したというのはよく聞くことだけど、わたしはその逆だと思っている。

わたしは、ひとが周りにたくさんいるから、ひとが近くにいるから、言いようのない不安や疑心、葛藤、怒り、悲しみを持つ。そして、それら全部を合わせた「孤独」を感じるような気がする。

コロナ禍ではみんなひとりだ。だから、わたしは孤独感がない。




って、詩が書けない言い訳を今日もしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?