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読書記録 キラキラ共和国

読書記録 キラキラ共和国
小川糸さん著
幻冬社

今日は小川糸さんの本を図書館で探していたら、素敵な名前の背表紙が目にとまりました。
『キラキラ共和国』、どんなキラキラにであえるのか、ワクワクしてページをめくりました。


◎あらすじ
鳩子は、ミツローさんと入籍した。ミツローさんはQPちゃんのお父さんだ。

鳩子は、20代前半。しつけの厳しかった祖母から受け継いだ、文具店兼代書屋を鎌倉で営んで3年が経とうとしていた。


(ここまで読んで、やっと私はこの本が、『ツバキ文具店』の続編だと気づいた。)

ミツローさんは、奥さんをある事件で亡くすが、奥さんとの約束した、鎌倉でカフェを開いていた。

QPちゃんは、ミツローさんの子ども。鳩子がミツローさんのカフェに通ううちに、「ポッポちゃん」と言ってお手紙のやり取りをしたりして、仲良しになった。

出会ったころは、まだ文字を書くのもやっとだったが、今年は、小学1年生だ。

鳩子はまず、このかわいいQPちゃんのことが、大好きになった。

そして、ミツローさんの温かさにふれて、一緒にいたいと思うようになった。

鳩子とミツローさんとQPちゃんが、すこしずつ共に時間を過ごす中で、時には険悪になったり、悩んだりしながら、家族になっていく。

そう、そして代書屋さんのお客さまから、色々な依頼を受けながら、母への思い、亡き夫への思慕を その人の人生を背負いながら、したためていく仕事を丁寧に続けている。






◎気になった箇所 148ページ
 亡くなったミツローさんの奥さん美雪さんの日記を発見し、

✴︎私は美雪さんの手書きの文字を見た瞬間、美雪さんがどういう女性だったのか、理解したように感じた。そして、一気に美雪さんが好きになった。

 それは、うまく言えないけれど、限りなく「恋」という感情に近しいものだった。夫の前の奥さんの文字に恋をするなんて、自分でもどうかしてると思う。
 でも、こういう文字を書く人を、私は無条件で好きになってしまうのだ。どんなに多くの写真や映像を見るよりも、美雪さんという人の輪郭がとてもくっきりと浮かび上がった。

◎感想
✴︎
私は『ツバキ文具店』の本は読んでいないけれど、鳩子を多部未華子さんが演じていたドラマを見て、大好きで繰り返し録画を見ていたので、色々な場面や登場人物がドラマと重なって、イメージを膨らませ楽しく読んだ。

✴︎✴︎
この本のテーマは、家族になる、ということだろうか、だからミツローさんの先妻の美雪さんのことを鳩子がどう感じて、考えていくのか、それを糸先生がどう描いていくか、興味深いところだった。

鳩子は代書屋だから、代書をする前に、依頼者の筆跡をよく観察し、人柄や、受取人との関係性やその人への思いを汲み取っていたのだろう。

だから、文字をみただけで、その人の人柄や家族や身近な人への思いを感じとり、好きになったのだろうか。

亡くなった奥さんも含めた4人が、家族と、言い切っているところ、鳩子の愛情の深さを感じる。

そしてそれは、口では厳しいことを言いつつ、鳩子がしっかり1人でも生きていけるようにと、深い深い愛情を注いで育ててくれた祖母がいた、ということの証(あかし)なのかもしれない。

私は「鳩子ちゃん、お幸せに❤️」と、つぶやきながら、鎌倉に行こうかなと思っている。


〇今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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