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日傘を○○する夫婦は、強い愛情で結ばれている?

溶けるような猛暑日、道端で美しい夫婦愛に出会った。

その60代ぐらいの夫婦は、1本の日傘を二人でシェアしながら駅前を歩いていた。帽子をかぶった男性に、女性が白い日傘を傾けている。お昼を過ぎ、一番暑さが厳しい時間帯だ。太陽がアスファルトをジトーッと焦がす中、日傘が二人に影を落とす。夫婦は横に並びながら、日陰のない道をゆったりと通り過ぎていった。

この夫婦の姿がとても印象的で、美しいと感じた。1本の日傘を2人で使う「相合い日傘」こそ、究極の愛の形ではないか??と思ったからだ。

「相合い日傘」は、デメリットが非常に大きい。日傘を2人でシェアすると、体の一部が日光にさらされて暑くなる。しかも日傘の下で二人が肩を並べるのだから、さらに暑さは増してしまう。雨の日なら、真横にいる相手の横顔を見つめたり、雨に濡れぬよう体を寄せあったりして、二人だけの空間を楽しめるだろう。でも最近の夏はそれどころではない。日傘をしても、日陰を歩いていても、とにかく暑くてたまらない。汗がドクドク止まらず、よそのカップルが手をつなぐ姿を見ただけでうんざりする。真夏日は、自分の身を守るので精いっぱいだ。

そんなデメリットだらけの「相合い日傘」だからこそ、二人の強い愛情を示す行為でもある。自分自身が暑くてたまらないはずなのに、自分の肌を直射日光にさらし、体感温度を上げてでも、相手を助けたいと感じる気持ち。その優しさや思いやりがなければ、決してできない行為だ。

思い返せば、相合い日傘をしていた夫婦は、それぞれ肩に日光を浴びていた。暑さゆえ、会話をする気力もなさそうだった。それでも女性は、日傘を男性側に差し出すことをやめなかった。夫婦は60代ほどなので、結婚してから数十年は経っているだろう。結婚生活では、つらく苦しい出来事で憎みあう時期もあったかもしれない。それでも相合い日傘ができるのは、強い信頼と愛がある関係性があってこそだろう。


わたしは夫に「相合い日傘」できるだろうか?? 私は日傘を常日頃持ち歩く一方で、夫は日傘を使わない。信号待ちの時に日傘を傾けたときはあるけど、歩くときは一人で日傘を使っている。「日傘買えば?」とすすめても買わないのだから、日傘をシェアする必要などないと考えていた。結婚生活が何十年も続けば、わたしも自然に「相合い日傘」ができるようになるんだろうか。。

まあ、愛の形など人それぞれだ。「相合い日傘」の清らかな愛もあれば、日傘を一人で使う合理的な愛もあっていい。私たち夫婦は結婚2年目、究極の愛を手に入れるには早すぎる。長い年月をかけて愛をはぐくむまでは、これからも日傘を一人で使い続けたいと思う。

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