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「音姫」は仕事中のオアシス

わたしは女子トイレにある「音姫」が大好きだ。

「音姫」とは、女子トイレの個室にある流水音がながれる機械だ。音姫が生まれる前まで、女性たちはトイレの音をかき消すために水を流していた。ただ音をかき消すために、10リットル以上の水を流すのはあまりにもったいない。そこで生まれたのが「音姫」だ。歴史は古く、誕生は1988年!水を無駄にせず音を消せる画期的なアイテムで、いまや女子トイレの必需品となった。

わたしが通うオフィスビルの唯一の長所は「音姫」だ。そのほかは、古くてエレベーターは遅いし、冬はあつく夏は凍える空調で、デザインも古く、いいところが全然ない。それでも音姫だけはイイ。なんと洋式トイレに座っている間は、永遠に流水音がながれ続けるのだ!!

たいていのトイレでは、音姫は30秒程度で終了する。ずっと音姫の音が流れていると長居してしまうので、長居防止のためだ。

ところが今のオフィスビルは、古いかから音姫がずっと鳴り続ける。トイレに座っている間、ずーっと。ボーっとしているだけでも心地よくて、ついつい長居してしまう。水が流れる音は癒し効果があるといわれる。つまり、音姫は仕事で疲れたわたしを癒す、オフィスのオアシスになっている。

タバコを吸わない私にとって、音姫と過ごす時間は仕事中のちょっとした休憩時間だ。この先キレイなオフィスになってもらいたいけれど、音姫だけはいつまでも流れ続けてくれたら嬉しい。


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