見出し画像

落とし物を届けたお礼はいりません

「お礼はどうしますか?」

今日、八重洲方面で落とし物を拾った。パスモとクレジットカード、名刺、ポイントカードだ。周りに持ち主が見つからなかったため、駅近くの交番まで持ち込んだ。落とし物を届けたのは初めての経験で、届けた人が「お礼を受け取る権利」があるのも初めて知った。

普段はもらえる物はもらっておく派だ。でも、今回は丁重に断った。よくモノを失くす私は、失くした時の恐怖や焦りを知っている。まして今回はクレジットカードだ。早く持ち主のもとに戻るのが第一であり、不安でいっぱいの相手からお礼をもらうなんてできない。「お礼はいりません」とはっきり伝え、私は交番を去った。

お礼を断った場合、落とし主に私の情報は伝えられない。しかし、今回落とし主はわたしの存在を知っている。

実は、落とし主と思われる人のアドレスを入手していた。落としていた名刺とクレジットカードの名前が一緒だったのだ。交番に持ち込んでも見つかるまで時間がかかるかもしれない。会社に電話をしても営業時間外だったので、名刺の連絡先に「交番に届けた」とメールを送った。我ながら、なかなか親切な女性だと感心する。

私がここまでするのには、もう1つ理由がある。落としていた名刺の肩書には「代表取締役社長」とあった。控えめに言って偉い人だ。偉い人の落とし物を、ちゃんと交番に届けた。偉い人は、正義感が強い人間を好む(偏見)はずだ。

つまり、ひょっとしたらひょっとして、、、、、「お礼」がくるかもしれない。メールを送ったので、相手はわたしのアドレスを知っている。落とし物をしっかり交番に届け、かつお礼を断った純粋なわたしに、心優しき社長は「お礼をさせてくれ」と言ってくるかもしれない。「本当に助かったよ」と社長様が豪華商品を渡してくれるかもしれない。「君みたいなステキな方がいる会社なら、取引しよう」と仕事の売り上げにつながるかもしれない。。。

もちろん持ち主のもとに戻るのが第一だ。でもそのあと、ちょっとした御礼があるかもしれない。。。期待と下心はどんどん膨らむ。その時は遠慮するふりして、受け取ろう。

とにかく、落とし物が無事見つかりますように。。。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?