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「親友」がいない人生も、悪くないよね

私には「親友」がいない。いつも「親友」が欲しくてたまらなかった。

誰の「親友」でもない寂しさ

「親友」とは、お互いにとって一番特別な友達だ。下らない話から真面目な話まで、何だって話せる。悩みごとがあれば真っ先に頭に浮かぶのは「親友」の顔だ。辛い時には、突然連絡しても長電話に付き合ってくれたり、飲みに行って夜中まで話を聞いてくれる。平気なふりをしていても、声色のちょっとした変化ですぐに気付かれる。ダメなときは叱ってくれる。嬉しいことがあれば、自分事のように喜んでくれる。西野カナの ”Best Friend"で歌われているような存在が、いわゆる「親友」だ。

私は、誰の「親友」でもない。私が特別な友人だと思っていても、彼女からすれば大勢いる友達の一人でしかないだろう。年に1,2回会う友達はいるけど、いつでも連絡できる友達はいないし。結婚式に呼んでくれる友達はいても、私に友人代表のスピーチを頼んでくれる人は、多分いない。毎週飲みに行くような友達も、毎年かかさず旅行にいってる友達も、残念ながらいない。

「親友」がいる人の話を聞くたび、自分がどうしようもなく寂しい人間に思えていた。

大事な友達の存在に気づいた結婚式

でも最近、「親友」がいなくても別にいいや、と思えるようになった。

きっかけは、昨年の2月にあげた私の結婚式だ。ちょうど横浜のクルーズ船内の感染が騒がれており、コロナの影響で結婚式を中止にする人もポツポツ出始めている時期だった。そんな不安な時期にもかかわらず、多くの友達が参列してくれた。

本心では「行きたくない」「中止にしてくれ」と思う友達もいたかもしれない。それでも彼女たちが「おめでとう」と笑顔で祝福してくれたし、楽しくおしゃべりし、ムービーやスピーチの時には涙を流してくれた。あの笑顔や涙は、全部本物だった。いや、本物じゃなくてもいい。私にとっては、大好きな友達に囲まれたあの時間は、本当に幸せだったのだから。

結婚式にきてくれた友達は、たしかに「親友」ではない。彼女たちに「悩みがあってさ……」と急に長電話できないし、何でも話せるわけじゃない。数年会わない時間があっても、彼女たちの人生は普通に進んでいく。彼女たちにとって、私は1番特別な友人じゃないだろう。

それでも私にとっては、どの友達も本当に特別な存在なのだ。「親友」になれなくてもいい。「親友」じゃなくたって会えば最高に楽しいし、幸せな時間を過ごせるんだから。そんな幸せも、ありなんじゃないかな?

私にとって特別な友達がいれば、それでいい

私には親友がいない。
この先も親友はできないまま、生涯を終えてしまうかもしれない。

だけど、それでいい。

私には友達がいるがいる。彼女たちの「親友」になれなくたって、私にとってはすっごく特別。誰かの「親友」になれないのはちょっと寂しいけど、まぁ、それでもいいよね。

存在しない「親友」を追い求めるのは、もうやめよう。今いる特別な友達を心から大事にして生きていきたい。

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