キンモクセイの香りで、わたしは変わったりはしない
乗換駅や最寄り駅を歩いていると、キンモクセイの香りが漂ってきた。あの香りは、まるで「趣味はカフェ巡り♡」と言う女のように、多くの人から好かれるだろうなという甘さを感じる。
そして、キンモクセイの香りとともにどこからかただより始めるのが、「キンモクセイの香りを語りだすやつ」だ。(わたしもその一人になってしまったが…)
バカみたいなことを話していた女子が突然「キンモクセイの香りをかぐと、あの人を思い出す…」なんて急にセンチメンタルになったりするので驚きである。もしくは「キンモクセイの香り大好き♡」なんていって、花1つすらうつっていない自撮り写真をアップする人もいる。
もちろん他人が何を語ってもいいし、環境の力を借りて新しい自分に挑戦することは悪いことではない。だけど、それが「キンモクセイ」じゃつまらない気がする。たいていの人はにおいに気付くし、ふんわりやさしいかおりで、小柄なオレンジの花がかわいいし、「絶対女子好きでしょ」って感じがする。だからキンモクセイをきっかけに変わるのは、何だかフツーな気がしてしまう。(平凡なわたしがいうことでもないけど)
だからわたしは、キンモクセイの香りにつつまれたからと言って、自分を変えないようにしたいと思っている。女子が好きそうな場面では、なーんにも分かっていない顔して通り過ぎていくのがかっこいい気がする。笑
甘い香りの中で「あーラーメン食べたい―」なんて思い続けていける、意識の低い大人でありたい。
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