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[映画の裏側]毛布は撮影現場で何に使うの?

今回は、制作進行もしくは演出部を目指す方に向けて現場で必要な知識として書きます。
①毛布の使い道その1:演者が倒れる、ひざまずくシーンで
②毛布の使い道その2:養生
③毛布の使い道その3:濡らして消火活動に
④最後に
⑤この知識を基に短編小説を書いてみました
⑥普段は映画イベントもやってます

①毛布の使い道その1:演者が倒れる、ひざまずくシーンで
 映画の中で登場人物が倒れたり、ひざまずいたりするシーンを見たことありますか?あなたがスタッフでそんなシーンがあるということが分かったら毛布を用意しましょう。そして、本番までに行われる「段取り(監督が演者に動きを伝える)」「テスト(音やアングルのチェックをするためのリハーサル)」の間は演者さんが倒れる場所、ひざまずく地面に毛布を敷くことが求められます。
 理由は本番まで汚したくないからです。例えば、長ズボンの人物がひざまずくシーンがあったとします。このシーンでもし毛布を敷かなければ、本番の時に登場人物のズボンが砂だらけになってしまいます。そして、めっちゃ砂を落とすのに時間を取るので怒られます。ですので毛布が必要になります。
 もう一つは、痛み軽減です。コンクリートや砂、木の床でもひざまずくのは長時間やると結構痛いです。だから、演者さんが痛みを感じるのは本番だけにしてあげようという思いやりです。
②毛布の使い道その2:養生
 映画には実に多くの機材が必要になります。また外部の施設に撮影に行くことがあります。そこで「置いた機材が床と擦れて傷が着いた」となると施設の方から苦情が来ますし、下手をすると「〇〇組の方は施設を傷つけるから今後の撮影はお断りします」と二度と使わせてもらえなくなることもあります。
 だから、床の上に毛布を敷き、「技術部(カメラ・照明・録音)の方は機材をここに置いてください」と制作部は指示をしなければなりません。また毛布の代わりにプラスチック段ボールを使うこともあります。
 プラスチック段ボールは主にエレベーターの壁とかに貼ります。時々、業者さんが廊下やエレベータに貼ったりするのを見て「スゲー!僕なんかまだまだだ・・・」と思うことがあります(笑)引っ越し業者の方は凄く上手です。

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*画像:プラスチック段ボール

③毛布の使い道その3:濡らして消火活動に
 撮影で火を使う時、消火の準備もしておかなければなりません。そう考え、粉末の消火器を用意してはいけません。理由は撮影現場が粉だらけになって大変なことになるからです。めっちゃ怒られると思います。こういうことを私が教えていただけたということは過去に誰かがこういう失敗をしたということですね(笑)ちょっとどんな状況だったか見てみたいです。(ちょっと想像力を巡らせて短編作品を書いたのでよろしければご覧ください。ページの下)
 話を戻します。不活性ガスを使った消火器、つまりは二酸化炭素で火を消す、というものです。サスケでアスリートがゴールした時やプロレスでレスラーが登場する時に出る白い煙にも使われることがあるそうです。

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*赤い四角で囲ってるヤツがそうです
 ただ、これの問題としては「高い」「重い」ということがあげられます。だから、毛布を使います。どうするか?大きなバケツに水をたっぷりと入れ、その中に毛布を入れ、水をしみこませます。そして、火を使う現場の近くに寄せ、消火の時になったら毛布をゆっくりと被せて消火します。この「ゆっくり」というのがポイントです。毛布を投げてしまうと火が横に広がってしまい、大変、危険です。

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④最後に
 いかなる状況でも火は危険です。映画撮影の現場に限らず火には十分注意しましょう。しかし、映画撮影の現場では世間一般で非常識と言われるようなこともしなければならに状況になることがあると思います。そんな時も決して、安全を第一に考え撮影に臨んでいただければと思います。

⑤「映画の現場で火を使う時に一般的な消火器(粉末消火器)は使ってはいけない」それを教えてくださったのが先輩でした。ということは、「誰かは粉末消火器を使ってやらかしたことがあるんじゃないだろうか?」という思いから書いた短編脚本/小説です!


⑥普段は映画イベントもやってます
 そんな私は定期的に「映画を語り合う」イベントをしています。ぜひ、自分が好きな映画について話を聞いて欲しい、という方はぜひお話を聞かせてほしいです!イベント情報はこちらのオープンチャットにて配信しております。入るだけなら無料なので良かったらぜひ!入ったらノートもご確認いただければよりお楽しみいただけます!

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