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【広告に依存しない】ひとりサロン経営者が知っておきたいWebマーケティング

あるエステサロンの閉店の話

先日、フェイシャルエステをお願いしているサロンに行ったところ、エステの途中に「もう・・・お店を続けられなくて実家に帰ろうと思うの」という相談を頂きました。

普段は海外Webマーケティングに取り組んでいるため、国内向けのWebマーケティングについてはそこまで詳しくはないものの、できる範囲でアドバイスをさせて貰いました。

既にその方はエステサロンを譲渡して実家に帰ることを決心されたようなので救うことはできませんでしたが、世の中のひとりでサロンを経営する方々の気づきになればと思い、筆を執らせて頂きました。

この記事の内容で一つでも参考になる情報があれば幸いです。

広告に頼って新規を獲得していないか?

どんなにビジネス(エステ)のスキルが高かったり、丁寧な対応をしていてもマーケティングの知識がなければ大きくビジネスを飛躍させることはできないということを今回のできごとで私は感じました。

私が通っていたエステサロンは肌の状態を良くするフェイシャルエステを90分9,800円で提供しています。月1で通っているので年間12万円ほどお支払いしていることになります。

そのお店には自社の予約フォームがなく、新規でもリピートでも大手予約ポータルの〇otpepperを利用していました。新規とリピートでどれくらいの広告費がかかるのが分かりませんが、オーナーさんの話によると「売上の半分は広告費に回ってしまっている」という話でした。

※〇otpepperの広告費の新規、リピートにかかる費用をご存知の方いらっしゃいましたらコメントで教えて頂けますと嬉しいです

つまり、私がお支払いしている12万円の約半額の6万円は広告費にまわっていたわけです・・・これだけ広告費がかかっていればビジネスを続けるのは困難ですね。

広告依存状態からの脱却するための打ち手

サロンのお姉さんにお伝えしたいくつか広告依存から脱却するための打ち手を記載していきます。この中でまだやったことがないことがあれば是非、実践してみてください!

1.リピート客向けに予約フォームを用意できないか?

もし、リピートの方向けに自社予約フォームを用意していれば、初回は広告媒体経由で半額の広告予算がかかるかもしれませんが、2回目のリピート来店の際は広告費をかけずに利益額は大幅に変わってきます。

自社予約フォームをリピート客に活用して貰った場合との差分
広告に頼っていた場合 :12万円× 50%=6万円
自社予約を活用した場合:1万円×50%+1万円×11=11万5000円
11万5000円 - 6万円=55000円

2.既存客に紹介キャンペーンのご案内し、顧客数を増やす

もし既存のサービス(今回であればエステ)にお客様が満足してくださっているのであれば、お友だちや同僚を紹介してくれるかもしれません。

お会計のときに「もしお友だち紹介して下さったら、次回は半額で施術しますよ!」と伝えたら、何人かは紹介してくれるかもしれません。お声がけし辛くてもポップで紹介キャンペーンのご案内をするだけで口コミのきっかけを作ることはできます。

紹介キャンペーンを実施した場合
紹介した方  :1万円×50%+1万円×11か月=11万5000円
紹介された方 :1万円×12か月=12万円
※ 紹介された方の分はまるまる利益に!
 LTV(顧客生涯価値)で考えると、年間12万円以上の利益に貢献する可能性も!
 ※既存客、新規客共に自社サイトで予約させることを想定

3.会計時に次回予約を獲得し、頻度を上げる

アメリカの著名なマーケティングコンサルタント、ジェイ・エイブラハム氏は売上を上げるには「顧客数・客単価・購入頻度」の3つのいずれかをアップさせれば良いと話されていますが、最も簡単な施策の一つが購入頻度を上げることです。

引用:https://kyodonewsprwire.jp/release/201611226530

サロンで集客を安定させるテクニックの一つとして会計時に次回予約を獲得する施策も考えられます。こうすることで来店頻度を一定保つことができます。

例えば、次回予約をその場でしてくれたら10%オフキャンペーンを実施し、自社サイトで予約して貰えれば、広告に頼らずにリピート客を次月も約1000円(客単価1万円のとき)獲得することが可能です。

次回予約施策を実施した場合と広告依存の場合の比較
広告に依存した場合  :1万円×12か月×50%=6万円
次回予約施策をした場合:1万円×12か月-1万円×10%×12か月=10万8000円
10万8000円 - 6万円=48000円粗利が増えます。

4.別の施術をクロスセルし、客単価を上げる

私はYouTubeに出演することやセミナーで登壇する機会が多いため、フェイシャルエステを依頼していましたが、もしかしたら痩身やハイフなどの別サービスのご案内を頂ければ客単価が上がったかもしれません。

サロンの強みはお客様にお会いし、直に触れ、肌の状態や髪、身体の状態を把握できるところにあると思います。

私たちはエステが欲しいのではなく、エステを通して得られる肌の美しさや老化を防止に対価を払っています。

さらにその先に私で言うと「お会いした方に清潔感を感じて頂き、商談で好印象を持ってもらいたい」という願望があります。

・・・であれば、顧客のニーズに先回りして「徳田さんのように人前に立つ機会が多い方は〇〇(別の施術)おすすめですよ」と一声かけるだけで、「じゃあ、お願いします!」と言ってもらえ、客単価を1.5倍、2倍にできるかもしれません。

5.関連商品を販売して客単価を上げる

Takujiさんがツイートでおっしゃっていた客単価を上げる施策も効果的だと思います。信頼しているサロンの方が商品をおすすめしてくれたら欲しくなってしまいますよね。

マーケターでない人にこそマーケティングの知識が必要

こういった事象に触れるとマーケターでない人にこそマーケティングの知識や視点があるべきだなと思わされます。

ホントもっとYouTubeで情報発信頑張らなきゃなという気持ちになります。

少し話が変わりますが、最近の売れっ子ホストはYouTubeやTwitter、TiktokなどのSNSを通して事前に認知して貰った状態で初回指名を獲得しています。

お店にふらっと来た自身を知らない子と話すよりも、SNSで認知して来てくれたこの方が「指名」に繋がる可能性が高いのは明らかですもんね。

そんな形でWebマーケティングを駆使してビジネスを展開しているホストグループが急成長しています。

サロンの話に戻りますが、もし自社予約フォームを用意し、次回予約の声かけやクロスセルをした場合、どのくらい売上、利益は伸びるでしょうか?

月のサロンの予約数が120件、客単価1万円だった場合・・・
広告費に依存:120件×1万円×50%=60万円
広告から脱却:120件×1万円=120万円
と単純計算でも60万円の粗利の差があります。

60万円粗利が多く出ていれば30万円でスタッフの方を採用し、自身はマーケティングにもう少し時間を使ったり、2人でお客様を迎え入れ、売上を倍増させることもできたかもしれません。

雨の中帰路につく中で、彼女が「朝7時に起きて、家に帰るのは毎日23時頃、お金もなかなか貯まらないし、疲れちゃったわ」と言っているのを思い出しました。「もっと早くこの状況を知っていれば助けられたのに・・・」と思うと悔しい気持ちになりました。

ただもう少し早くこの状況のことを知って「これを実践することで利益を残せます」とアドバイスしても、彼女が行動したかどうかは分かりません。それだけ日々の仕事に忙殺されてしまっていたと思います。

でも、同じように困っている人はいるんだろうなということは容易に想像つきます。

この記事を読んだ同じようなシチュエーションで頑張っているサロン経営者の方が実践してくださり、一人でも前に進めたら嬉しいなと思います。

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