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”課題解決エンジン”よ永遠なれ

私を”日本の課題解決”に目覚めさせてくれた古巣、ヤフーの名前が明日で消える。

私がSFCを卒業したのは1996年、Yahoo! Japanが設立された年。大学時代からインターネットにどっぷりだったので、当初からWeb業界にいつつ(実はヤフー箱崎時代に一次面接は受けつつ当時はあまり興味が持てず)MSやDisneyなどを転々としたのち、音楽DBとレコメンデーションという私にピッタリな仕事があるとの2年がかりのお誘いを受け、水野さんに口説いて頂きヤフーにjoinしたのが2005年、33歳のときでした。

そこから14年間、いまでも私の仕事人生の半分以上がヤフーでのものです。

  • 前半6年はプロデューサーとして音楽レコメンデーションや、人物検索(人物名鑑@2009年)、そして東日本大震災とタイミングが重なりかなりの難産となったリアルタイム検索(2011年)などを立ち上げ。画像、動画などバーティカル検索群のUMも。

  • 後半8年はYahoo!ニュースの大改革(機械学習レコメンド導入、アプリのアジャイル開発化、ヤフトピのKPIドリブン化)、ヤフオク!での本部長、チケット子会社の立ち上げなどマネジメントとしての経験を積みました。

  • 数々の失敗と多少の成功に彩られた14年間でしたが、Vison、Mission、Strategyと、それを実現するための組織や行動原則など、組織を束ねて方向性を決めたり、ヒトモノカネを巻き込んでいく上で必要なことのほとんどはヤフーで経験し学んだ事ばかり。

  • なにより、私の仕事における視座を一気にあげて頂けたのは故、井上雅博社長。めちゃくちゃダメ出しされましたが、自分の構想を話してみると必ずといって良いほど視野が拡大する、人生で唯一無二の感覚をあたえてくれた大恩人でした。会話するだけで楽しかったからか不思議と緊張しなかった。”建山、お前がやりたいことがわかったぞ!これだろ?”、”お前が必要だと思うならお前がやれ。”など忘れられない言葉がいくつも。

  • 日本に”ビッグデータ”による”トレンド分析”をもたらし、社会課題への見立て方を示して頂いた安宅さんとの出会いも大きかった。なぜかいつも応援して頂いた感覚があり、私のY!退職時、私が長崎の地方ハブ都市を支援し続けている理由を話した際、執筆中の「シン・ニホン」とシンクしている部分があると仰っていたものが「風の谷」の章にある”菊の花”構想だった。いまの私の仕事の方向性に大きなヒントとなっているもの。

  • また、時には反発していた頃もあったものの、振り返れば、検索、メディア、コマースの看板サービス群でのマネジメント経験のチャンス与えてくださった梅村さん、宮坂さん、川邊さん、そして1on1してくださっていた本間さんにも、当然ながらめちゃくちゃ感謝しています。”爆速”、”脱皮”、”課題解決エンジン”など、あの頃のヤフーの求心力づくりは凄かった。

  • ヤフオク本部長時代にまとめた「個人と組織の成長のための5原則」は、ヤフーのプロデューサー精神と、爆速経営マネジメントでの経験から私なりに最低限、誰もが覚えられるエッセンスとして抽出したもので、ことあるごとに振り返っているもの。

個人と組織の成長のための5原則(詳しくはリンク先へ)

1.ポジティブに、もう一歩だけ前へ  
2.地図を持ち、そこからの逆算で考えよ
3.可視化と習慣化による自己成長システムを持て
4.課題は仕組化で解決し、スケールさせよ
5.常に非連続成長の芽を作っておくこと

さて・・・前からわかっていた事ながら、いざ愛するヤフーという社名が消えると考えると、正直とても寂しいし、悲しい。しかしヤフーで一緒に戦った仲間たちとの絆が、10~20年たった今でも変わらず続いていることは感謝であり誇り。

われわれモトヤフは今後も、それぞれが日本の”課題解決エンジン”たりえているか?と自問自答し続けるはず。

多くの社員にそういう使命感を与え、日本社会のあちこちに種まきしてくれた偉大な古巣が、LINEとの統合による新たな”脱皮”と"進化"を成し遂げていくことを心から祈願しています。

今夜は「History of the Internet」を観ながら献杯するか。

プロデュースしたサービス:人物名鑑、リアルタイム検索
マネジメントしたサービス:ヤフー検索(新規、バーティカル)、ヤフーニュース、ヤフオク、ヤフー不動産、ヤフー天気、ネタリカ、ヤフーニュース個人
その他:ヤフーミュージック、国会図書館サーチ(有識者会議)

私も今まさに、これまで以上の課題解決へのチャレンジに向けて動き始めています。興味もってくれて、また一緒にやれる人がいたら、是非声かけてくださいね。

もし奇特にもサポート頂ける方がいらっしゃるようであれば、もっと役に立つ記事を書いてみようと思っています。