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これからの介護のことを考える雑感
はじめに。
これはあくまでも、個人的雑感であり、根拠となる数字などはありません。
介護の仕事をしていくにあたっての「肌感覚」のようなものです。
ですから「根拠はなんだ」みたいな、ご批判はなくお読みいただければと思います。
最近なんとなく変わったなと思うこと
わたしはケアマネージャーという仕事をしており、要支援、要介護認定のおりた方と面談契約して、適切なサービスにつなげるという仕事をしています。
高齢者の疾病っていろいろなので、一概には言えませんが、最近まで、家で家族が見ていて、大変だし、本人もずっと外出したがらないからデイサービス勧めて、行ってみたら楽しかったし、少しは体も動かすようになって、顔見知りもできて、お風呂も入れるから家族も楽になりました、みたいなプランが多かったような気がします。
そして、排泄や起き上がりがむつかしくなって、いよいよ無理で、訪問介護や看護さんが入ったりショートステイにお泊まりしたり、入所したり。
そういうところで「食べれる食事を確保して」「仲間とスタッフがいて」そこでなくなったり。
そういう方々を数多く見送ってきました。
でも、ここんとこ、なんか違うんです。
うまく言えません。俗に言う団塊の世代の皆さん以降というか、なんというか。
2025年モンダイというものがあります。
団塊の世代の皆さんが後期高齢者となったとき、介護保険の利用者も増え、そしてキッチキチにサービス使って、介護保険が大変なことになるだろうモンダイ。
いや、介護保険はもともと大変なんですが、そろそろ介護業界に登場してきた団塊の世代以降の皆さん方。ふたをあけて見たら、そんなに介護保険の積極利用ってないなっていうのが正直な印象です。
もちろん、ベッドがないと起き上がれないからベッドレンタルしようとか、家で使うシャワーチェア購入しようとかはあります。
ただ、訪問介護や通所介護を積極的にガンガン使うかといえばそうではないのです。
ヘルパーさんは絶望的な人手不足なので、いらないに越したことないし「ごはんなんて作りませんよ、配食弁当をとってください」みたいな流れにはなってたんですが、最近は「セブンのおでんを買ってきて」とかの要望にあわせて週に数回買い物のヘルパーを位置付けることが多くなってきました。
通所介護(デイサービスです)に至っては。70代とかの若い人はあまり興味しめしません。デイケアでリハビリはしたいという要望はあるけれど「1日は無理。せめて半日」とか言われます。
うまく言えないけれど「ランダムに同じような疾病の人と一括りにされても」みたいな気持ちがあるような気がします。
そう。
みなさん、社会の中で自分がやりたいことをきっちりあるような気がするんです。
買い物が好きだから、ちょっとだけ訪問リハビリをして、買い物にいけるようにはなりたい、とか。
タクシーに乗れて図書館に行ければ困らない、とか。
駅までなんとか歩いて、なじみの店でコーヒー飲めればいい、とか。
恥ずかしながら、ICFの定義を意識しながらやりたいことを聞いても、聞き方も悪く「人生の目標」的なものになってしまっていました。
自分に置き換えて考えてみればわかりますよね。
わたしはネットと近所の買い物ができればなんとか生きていけます。
ときには温泉や旅行や美術館には行きたいだろうけれど、それは介護保険外なので、介助が必要になったら、自費のサービスを使うことになります。
これまではこう思ってました。
家で最低限の生活を送る。
家族介護で無理な部分をカバーする。
家にずっとこもっている本人をデイサービスに連れて行って運動や社会交流を行う。
なんていうか、ごめんなさい。こういう図式を頭の中に持っていて、どうも、話しているうちに本人の気持ちとズレることが多くなってきてたような気がします。
わたしたちは社会の中で生きていきたいんだ
ひとことで言うと、そうなんだと思います。
要介護者は話が別ということはまったくありません。
友達と電話するのに、目が悪いので音声読み上げの電話を使ったり。
フードコートで好きなものを食べるために、移動の方法を考えたり。
映画館まで行ってみたり。
介護認定を持っていても、関係なくそういう生活を続けたい。そういう当たり前のことに最近気づきました。
関わっていた方は最期まで「好きな人のライブに行きたいんです。車椅子で行って楽しめるかな?」と言われてました。
コンサート会場では車椅子席が確保されているところも多くなっています。自費で車椅子を借りたり、友人の介助で行ってみたり、ちょっと困難であれば、そういうのに対応してくれる自費のヘルパーさんを使ったり。
方法はいくらでもあるんですよね。思ってみることがとても大事。
そういう話をずっとしていました。
「でも、自費のヘルパーさんって、ちょっと高いんですよね」と申し上げたら、こういう答えも帰ってきました。
「自分が旅行に行くときに愛犬をペットホテルに預けるのは当然のこと。そこにお金がかかるのも当然です。だから、わたしがやりたいことにお金がかかるのは問題ないです」とのこと。
うん。まことにその通りです!
家族ができることは少なくなっているかもしれない。それでも社会とつながっていければ生きていける
子供達は都会で暮らしていて、介護に関してはあてにならない、と思われている方も多いかもしれません。
でも、今は介護休暇、介護休業なども保証されており、その利用の仕方も職場や包括支援センター、ケアマネに相談することもできます。
弊社では遠方の家族さんとラインワークス でつながっていることが多いです。
そして、ご両親の不調や近況を伝えたり、帰省の時期を教えてもらったり。
また入所などの、環境の変化時には「契約などもあるので、何日か介護休暇とれますか?」と相談することもあります。
家族ができることは少なくなっていくかもしれないけれど、それでも、家族の助言や思いは大切です。
そして、それを「孤立した家族のみ」で行うのではなく、いろんな職種、入り混じりながら行うことが必要なのかもしれません。
たぶんわたしはこれから、こんな感じのケアマネジメントをすると思う
ケアマネって考え方いろいろなので、どこに重点を置くかはひとそれぞれです。
だからこれは「これからケアマネはこういういふうに変わります」という話ではありません。あくまでわたし個人の考えです。
まず、本人に必要と思ってリハビリや通所介護をしつこく勧めることはもう辞めようと思います。
もちろん、情報や利点について、近くにおすすめのところなどの情報は定期的に発信します。でも、本人に興味がなければ、そこでおしまいです。
介護保険の無駄遣いはいやだもん。
福祉用具に関してはもう少し積極的に導入しますが、どうしても嫌なら工夫をしましょう。工夫の仕方がわからないなら、専門職のアドバイスをもらいながらちょっとやってみましょう。
ヘルパーさんは必要ですよね。でもお手伝いさんじゃないんだから、できることは限られてます。
「家族と同居してるのに、ヘルパーさんのトイレ掃除はできませんよ」
と先日申し上げたら、その方は週に1回1時間の自費ヘルパーさんを契約されました。働いている家族にお願いするより、「なんでも言えばしてくれるからストレスない」そうです。
そしてショートステイとかも、家族不在時に「温泉旅行気分で」利用できればいいと思います。
機械浴とか設置しているところも多いので。家ではシャワーしか無理な人はときどき利用するとそれなりにいいかなと思います。
一方で、末期癌などで「最期まで入院したくない。家にいたい」という方もいます。
訪問診療、訪問看護を使い、緩和ケアの看護師さんに痛みをとってもらえばいい。お風呂だって入りたければ訪問入浴もあります。
以前より、自分の関わりたいコミュニティ、自分の関わりたい社会、自分らしい生き方を実践できる人が確実に増えています。
だから、それを隠さないで。
できればケアマネに伝えていただければと思っています。
え? コミケに行きたい、ですか?
そういう対応はわたしが自費サービスとして、なんとしてでも対応したいと思います!!!
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