そんなに詳しくもない音楽のお話(第1回ピンキージンバヴエ『ノーブラ』)

大学生になった頃、アルバイト先で知り合った人が「私の友達がCD出したから聴いてみて」と言った。まだ「インディーズ」という概念を知らなかったので「へぇ、そういう人もぽつぽつ出てくるものなんだな」と思った。つまり、前回でとりあげた『変態ギグ』も自主流通盤だと思っていなかったのである。と、このように音楽活動をおこなっている人たちが身近に現れ始めた。
そして、当時仲の良かった友人はアコーディオンを趣味としていた。その流れから、なにかアコーディオンをフィーチャーしたバンドを観にいこうとなった。そして、我々は『ぴあ』にてライブハウスの情報を探し、その中で小さく取り上げられていた(ような気がする)ピンキージンバヴエのライブを梅田はバナナホール(現シャングリラ)まで観にいったのである。

ピンキージンバヴエはよっちん(歌とアコーディオン)かた(大地のリズムつまりドラム)こが(ベース)という編成の三人組だった。すでに4曲入りミニ・アルバム『ノーブラ』を販売しており、そしてこれがこのバンドの唯一のアルバムとなる。スタジオ録音として「恋のウイルス」がなにかのコンピレーションアルバムに収録されている。  
それぞれのメンバーの音楽的な影響についてはわからないけれども、ハードロックやプログレ味をポップな感じに落とし込んだ楽曲が特徴である。YouTubeに難波ベアーズのライブ音源があるので、興味のある人は観てみることをおすすめする。時期的に、こちらの動画の中で演奏されている曲は『ノーブラ』完成前なのでタイトルが異なっていたり、構成やフレーズが定まっていない感じがしておもしろい。

アコーディオン奏者を擁する人々を集めた「アコーディオンナイト」なるライブや京都の磔磔などにも何回も観にいった。当時はライブのお知らせをハガキで寄越してくれたのである。ライブだけの楽曲も多数あったので、俺だけにでも音源分けてくれないかな…と思う。もちろん対価は支払う。

その後、バンドは二人体制+サポートという体制の別バンド「サングラス(グラサン)」となった。インターネットが普及し始め、ライブの情報などを知りたく思って検索してもレイバンばかりヒットするため、一般名詞をバンドにするなよ…と思った覚えがある。

(次回 Bon Jovi『Cross Road』に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?