見出し画像

新コロナ終息後に向けては、日本は「新しい風」をおこす必要がある

下の記事*を読んで、本当にびっくりした。

ベトナムはこのまま収束を迎えれば、世界トップクラスの成功だろう。

人口は日本の約3/4の約9600万人。それでいて、感染累計者はたった268人。死者はなんと0人

ベトナム政府は2月1日、まだ春節による経済活況が期待される真っ只中にもかかわらず早くから中国からの旅客便乗り入れを禁止したことが奏功している。

日本は、中国からの観光客による経済効果を天秤にかけたのだろう。

後付け理論にならないように気を付けるのであれば、それはそれで日本のため、日本に住む人々のために、相応の判断だったのだ。

もし、当初、インフルエンザウイルス研究及びワクチン開発の第一人者ですら語っていたように、「3月末までに終息する」ということで済んでいたなら、今のような厳正な自粛は、却って、野党から突かれることになっていただろう。

結局、みんな後付け理論でああだ、こうだ言うが、だったら、その前に、政府に届くぐらいの声を出せばいいと思う。

あの岸博幸氏でさえ、3月13日の寄稿では、その時点において、今の現状を予測できていない趣旨の見解を示している。

そんな中で、ベトナムは凄い英断だと思う。まぁ、小生のこの評価自体も言うなれば、「後付け理論」だが。

過去に戻って、どうの、というより、未来に向かって建設的なことを考えれば、国内需要を喚起する「新しい風」が必要だということだ。

訪日客800万人だった頃から、4000万人を目標に、これまで取り組んできた。

画像1

では、それまで、日本の観光産業は不作だったかと言うと、そうでもない。

元々、4000万人を目指せる観光力を持っていたが、なにも、訪日客を取り込まなくても、日本人の国内需要で十分だったと言われている。

それゆえに、あまり訪日客取り込みは、そんなに脚光を浴びるものでもなかった。

それが、一旦、大きく門を開け放つと、実力通りに、訪日客を受け入れることができた。そして、一心不乱に、それに乗じていった。

これも、「後付け理論」を排除すれば、まさに政策が、効果覿面だったと言える。新型コロナがなければ、むしろ、大殊勲だ。

新型コロナの終息後を考えれば、日本人にも、海外の方にも、一段と魅力のある観光産業にする必要がある。

「既定路線+何か」ではなく、「新しい風」というものをおこす必要がある。

「モノ消費」から「コト消費」に変遷したことも、いわば、大きな「新しい風」だ。

これと同様に、更なる「新しい風」を吹きおこすことがが必要だ。

「後付け理論」にならぬよう、自分でも、発案してみるのなら、「日本人と訪日客が一緒に取り組める何か」を推進してはどうかと思う。

既に、誰だったかが、提起しているが、外国から来てくれた人が、「消費していく」だけでなく、「創造」もしていってもらって、より、訪日することの満足度を高めてもらうような取り組みだ。提起していた方が言っていたのは、「例えば、母国語を日本人に教える場を設けたり、母国の文化や技術を教えていったり」。例えば、母国の料理や、母国の刺繍や、物産の作り方を教えていったり、急遽、市民体育館でやっているバドミントンのコーチ役をしてもらったり、なんでも良いので、何か、母国にゆかりのある足跡を残していってもらう。それにより、今までは、「日本人」と、「訪日客」、別々な行動であったが、一緒に交わって、適度の距離感は必要だが、一緒に行程を楽しむ、そんな「モノ・コト・交わり」な観光産業に発展していくと良い。

他には、日本人観光客と混交のツアーを沢山設けて、バスの中でも、小学校の時の林間学校のときのように一緒に楽しむ。これだけでも、こういうことが好きな訪日客はとても満足だと思うし、それに、より、観光産業に従事する人だけではない、日本人一般人のおもてなしの心や、教育文化のことも、わかってもらえたりする。また、日本人観光客側のファミリーに子供がいれば、外国人と触れ合える貴重な体験になるし、きっと、彼ら、彼女らが大人の階段を上る過程では、グローバル社会を見据えることができやすくもなる。

画像2

「新型コロナ禍」で責め合うことに時間を費やすよりも、こうしたことを創造していく方が、「コロナに打ち勝つことということはそういうこと」に繋がると思う。


*2020年4月24日日本経済新聞朝刊

ベトナムはこれまでのところ、新型コロナの抑制に一定の成功を収めている。累積感染者は23日朝時点で268人、死者は出ていない。人口は約9600万人で、ベトナムの「健闘」が目立つ。

周辺国に先駆けた厳しい防疫が奏功した。ベトナム政府は2月1日、感染者が増えた中国からの旅客便乗り入れを禁止した。感染者が多いほかの国からも段階的に外国人の入国を禁じた。3月18日にはすべての外国人へのビザ発給を停止した。

1~15日には全土を対象に不要不急の外出禁止措置を実施した。16日からはハノイ、ホーチミン両市と人口が比較的多い10省市で継続していた。

ベトナムの規制緩和は東南アジアの主要国の中で最も早い。タイ全土の非常事態宣言は30日までの予定だ。ショッピングモール、映画館、競技場などを閉鎖。外出は禁止していないが、高齢者、幼児、持病を持つ人ら重症化するリスクが高い人に外出自粛を求める。

#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?