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詩 セックス

わたしはひとりの相手とのセックスしか

しらないの

その相手との時間が

互いにとってしあわせな時間だったかどうかは

ずっとずっとわからない



わたしにとってセックスは

ちょっとキスをして抱き合うぐらいでいいの

この小さいいびつな胸とか

くびれのない腰とか

カタチの悪いお尻とか

いちいち触ってくれなくてもいい


それ以上なにがあるのか

わたしはその先のものがみえないし

イメージもできないし

したいとも思わない


「もっと」を望むなんて

まるでお金を稼いでも稼いでも満足できないような

そんなかわいそうな欲望が溢れ出てくるみたい

夜の静寂と きれいな月の光の中で

そんなドロドロとしたものを垂れ流していたら

せっかくの繊細なレースのような時間が

台無しになってしまうと思うの



抱き合うだけでね、

会話をすることで得られない何かが

そっとわかる気がするのよ



あなたの肌の質感と体温を教えてほしい

それだけなの

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