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アルバム【宮城旅報告⑦】
ー11ー
最終回【報告⑦】は、
石巻で出会ったおじいさんの話です。
標高56mの日和山。震災時、多くの人が避難してきました。眼下のまちは津波にのみ込まれていきました。
私も、日和山から石巻のまちを見渡してみました。すると、近所に住むという70代くらいのおじいさんが声をかけてきて、震災時のことを話してくれました。
そして、かばんからアルバムを取り出しました。
被災直後のまちや自宅の写真が入っていました。
こういうことなんだ、と思いました。
9年間。
写真を厳選して印刷してアルバムにして、おそらく9年間毎日、かばんに入れて持ち歩き、ちょっと立ち話をした人に見せてきたのでしょう。
3月11日だからとか節目だからとか特別な意味を求めることはなく、かといって、日常に埋もれさせることもない。
ただ、いつでも誰に対しても、伝える準備ができている。
忘れないっていうのは、伝え続けるっていうのは、こういうことなんだと思いました。
* * *
大切なことを 忘れない 日々大切なことを忘れないように、見失わないように、丁寧に生きようと思います。
それは、日々の積み重ねなんだと、日和山のおじいさんが教えてくれたようです。
宮城旅報告【完】
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