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バター醤油ラーメンと思って飲めばおいしくなる飲み物

昨日までのブータン旅行記はこちら

ブータン旅行記を読んでくださっている皆さんこんにちは。と書いてみたかっただけである。

さて、ここまでの時間の流れ、おわかりになる方がいるだろうか。実は黄金の仏像に到着したのが12時半、ということでまだお昼時である。

朝から変な質問ばかりする日本人を相手に歩きっぱなしのマミーはお疲れモード。

「デチェン(友人でありマミーの娘)が迎えに来てくれるっていうからここで待ちましょう」

わたしが黄金の仏像をみている間に電話をしたらしい。

デチェンが迎えにくると、開口一番

「ランチに行こう!」

という。いや、銀行内にあったカフェで食べたサモサとモモが、がっつり残っている状態でまったくおなかがすいていない。しかし、デチェンは午前中、一心不乱に仕事をして相当空腹なのだとか。

お付き合いせねばならぬと仕方なしにレストランに向かう

銀行内のカフェにはメニューがなかったから、初めてメニューなるものを見た。

安い。1ニュルタム=1.8円(2024年3月)だから、たとえば、卵ヌードルの場合、270円だ。モモも何個入っているかわからないが、180円。円安の今、海外で「安い」と感じられる稀有な国だ。

1個はいらんなと思うも、シェアするような雰囲気でもないし、ひとまずビーフは嫌なイメージしかないため(←ドライビーフな気がしてならない)、卵ヌードルをオーダーすることにした。

飲み物は?と言われて、Bevarageを見ると、ラッシーがあるではないか!ラッシー大好物とばかりに、ラッシー!と言ったのだが

「せっかくブータンにきたんだからスジャにしなよ」

という。スジャって何?飲み物に唐辛子がバリバリ入っているとかじゃ?と警戒したが

「バター茶のこと」

無理。絶対に無理だ。

チベットのラサにいったとき、高山病になり、ホテルでひっくりかえっているときにホテルスタッフが持ってきてくれたのがバター茶。

これを飲めば気分がよくなるからとの言葉を信じ一口飲んで、さらに具合が悪くなったあのバター茶。

かなりしぶ~い顔をしていたのに

「わたしは疲れたときにスジャ飲むの。ゆきんこもフライト疲れしているから飲みなよ」

と半ば強引にスジャを注文。

さらに頼んでないのにモモまできた。

一番最初にきたから、マミーとデチェン、わたしで一つずつ。当然のようにゲストなんだからあと2個はあなたのものという。

銀行で食べたモモよりも皮が甘くて、肉汁もたっぷりできっとお腹がすいていたらがっついていたくらいおいしいのだが、今は無理だ。つけダレソースもお店秘伝のものらしく、肉餡によりそう上品な辛さ。

そうこうしているうちにメインディッシュ到着。


ボリュームたっぷりなうえ、太麺。粉もん続きでさすがにおなかが破裂しそうだ。

しかも、見た目じゃわからないが、このヌードル。すこぶる辛い。スープが辛すぎてもはや何味のスープを飲んでいるのかわからないほどだ。卵が中和剤の役割をしているが中和時間はほんの微々たるもの。

スープを飲めば飲むほど辛さが増すため、スープは飲まずひたすら麺をすすった。

なんとか食べ終わったときにトドメの一発がきた。

スジャ、いわゆるバター茶である。

ミルクティーにバターを入れているなら、ちょっとはおいしいと思うはずなのだが、乳製品がよくない。ヤクの乳脂肪に発酵した茶葉を煮だして、さらに塩をひとつまみ。なのでちょっとしょっぱい感じもするのだが後味がぼてっとして腹にずど~んとくるのだ。

大体味はわかっているが、チベットのときとは違うかもしれないという、希望も一口のんで吹っ飛んだ。

まずい。気持ち悪い。

飲んだ瞬間鼻、鼻腔をごりごりと刺激してくる獣臭。舌にのぺっといつまでも残るこってりバター・・・それを食後のコーヒーを飲むように涼しい顔で飲んでいる友人。

おなかがいっぱいで入る余地もないのだが、出されたものは全部残さず食べろとの小さいころからの教えを忠実に守らねばならない。

そこで思いついたのが思い込み作戦。

バター茶=こってりしてて獣臭がしてまずい

というイメージが脳にこびりついているからいけないのだ。

ミルクティーと思って飲むのは無理がある・・・この塩気とこってり濃厚な味わいはなんだろうと考え着いたのが、バター醤油ラーメン。

しょうゆの味はしないがこってり加減は似ているような気がする。

バター醤油ラーメン、バター醤油ラーメン、バター醤油ラーメン・・・

と念じながら、一口。

あれ、あれあれあれれれれ。

飲めた。ラーメンの汁と思い込んでたらなんとなくラーメンの塩気のような感じがして飲めた。

チベットやブータンでバター茶をすすめられたら、バター醤油ラーメンと思って飲んでみよう!


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