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最後の一葉状態

不眠症の友人が何人かいる。母親も眠れない病で

「疲れているのに布団に入ると目が覚めちゃうからいやになっちゃう」

といって眠くなるまで本を読んでいる。

不眠症を治すには生活習慣をまずは見直そう!なんて雑誌を読み
・生活のリズムを整える
 起床と睡眠時間を一定に。3食しっかり食べる
・昼寝を短くする
・夜はスマホやテレビなど光をみない

も実践しているが眠れないという。

ただ、わたしが帰省するとものすごく眠る。なぜかと聞いてみると

「だって、あんたがくると、畑に無理やり連れてかれるだけじゃなくて、ずっと外にいっぱなしで休憩なしだし、収穫したものを新鮮なうちに食べたいっていうから家に帰っても野菜の処理に忙しくて、疲れちゃうんだもん」

それよそれ!まさに体を極限まで酷使すれば、眠れないじゃなくて自然と眠れるのだ。

わたしはというと疲れてなくてもどこでもすぐにスピースピー寝られる。
バックパッカーで一人世界一周していたときもどんな汚い安宿でも寝られた。
いびきが大きかろうが、下のベッドが激しく揺れていようが(←想像におまかせw)、外で音楽がガンガンなっていようが、窓ガラスからギラギラのネオンが入ってこようが体が横にさえなれば寝られた。

いや、飛行機や電車に乗っても寝られるから、ようは立っていなければ寝られる。

さすがに蚊にさされたり、ダニに攻撃されてかゆいと寝られないということもあったが、それ以外は記憶にないくらいすぐに寝ていた。

ちなみに呼吸やツボ押し、マインドフルネス瞑想のような健康法をやると、やっている途中で寝てしまう。マインドフルネス瞑想の取材をしたときは、今ここに集中できずにあれやこれやと煩悩の嵐にまみれ、そのうち煩悩まみれに疲れ、寝ていたという・・・

そんないつでも一瞬で寝られるある意味サステナブル人なのだが、最近は一瞬どころか倒れこむように寝ている。まさに「最後の一葉」状態。

小学生のとき、国語の教科書で何度も読んだオー・ヘンリーの「最後の一葉」。そこからとってよく「最後の一葉」状態を使っている。知っている人も多いと思うが簡単に。うろ覚えだが・・・

古いアパートの2階に住んでいた少女は病気を患い、窓から見える葉っぱがすべて落ちたら自分の命も尽きると思っている。それを聞いた1階に住む老画家。いつか名作を描く(←今の私w)と言いながらも酒を飲んではダラダラしていた。しかし、その夜、嵐がやってくる。老画家はその少女のために嵐の中、はしごをかけ、窓の外に葉っぱを描く。描き終わった老画家は濡れたコートもそのままにベッドに倒れこみ、そのまま眠るように亡くなる。

翌朝、嵐で葉っぱはすべて吹き飛ばされたであろうと思っていた少女の目に最後の一葉がうつる。その葉をみてわたしも頑張らないとと思い直す。

少女の父はその窓に書いた絵こそ、老画家の最高傑作であったという。

あ~、今思い起こしても胸打つ短編小説。これを何度も何度も読み返し、ひとり感動したのを覚えている。そんな心の琴線にふれる短編小説のタイトルから引用し、疲れ果てて死んだように眠るとき「最後の一葉状態」と使っている自分にほとほと嫌気がさすが、自分的には言い得て妙なのでこのまま使わせていただく。オーヘンリーさんすみません・・・

さてここ1か月くらいなぜ「最後の一葉状態」なのか。

仕事(取材、原稿、入稿)、とある講義のレポート提出、予習復習はいいとして、+農作業が入っているからだ。

正直、PCの前でカチャカチャやっているときは脳は疲労しても、体はさほど疲労していない。

農作業は違う。太陽がギラギラ輝く中、汗だくになりながら、同じ体勢、とくに中腰時がよろしくない。作業中は無我夢中でやっているのでさほど疲れは感じていないものの、終わった瞬間、どっと疲れが押し寄せてくる。

そのあとに車の運転に渋滞がくるとダブルどころかトリプルパンチをくらう。昨日も大渋滞に巻き込まれ、目薬をガンガンさしても、フリスクを食べても、大声で歌っても睡魔が押し寄せて来て、こりゃまずいと思い、コンビニに避難。

強炭酸を購入し、一気飲み。爽やかなのど越しでリフレッシュして、運転再開じゃなく、コンビニの駐車場で40分も寝てしまった。

真夏じゃなくてよかったが、一歩間違えたら熱中症で搬送されるところだった。窓もあけず、エンジンもかけず=エアコンなしでぐっすり眠ったあと、ぐっしょりと汗をかいていた。危ない危ない。真夏に向けてなにか対策を考えねばならぬ。

さらに1時間の渋滞と闘いようやっと家にたどりついたときは、老画家のようにベッドに倒れこむ・・・といきたいところだが、変なところが潔癖症で、ベッドに入るときはシャワーを浴びた後じゃないと無理だもんで、もうろうとしながらシャワーをあび、髪をタオルドライしたままベッドに倒れこんだ。

人間は疲れすぎるとおなかがすいているのに睡眠欲のほうが勝つ。食べるより寝たい。おかげで、ブータンで太った分をこの1か月で取り戻したどころかさらに減った。

今は何をしているかというと、田植えと玉ねぎ収穫。田植えはほぼ機械化になったとはいえ、結局ポットマットは運ばないといけないし、機械を洗わないといけないしと完全自動化ではない。

玉ねぎにいたってはすべて手作業。

収穫楽しい!と思うのは30分ほど。大根のようにスポッとぬけず、びよーんと伸びた葉っぱの部分を切れないように手でつかみ、珠の部分を右へ左へ動かす。根っこが意外としっかりはっているから一筋縄ではいかない。これを中腰状態で地道にやっていくと、次の日、年齢とともに垂れてくる尻の部分が筋肉痛になる(←今)


びよ~んと伸びた緑の葉っぱが倒伏したら収穫時。

さて、問題です。
皆さんが食べている玉ねぎの玉の部分は、根っこでしょうか?葉っぱでしょうか?茎でしょうか?答えは明日(笑)


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