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育児に、人生につまづいたとき読み返したい「未来のだるまちゃんへ」

最近Kindleでビジネス書ばかり読んでいた私が、ふと紙の書籍で買いたくて手に取った本。
それが「未来のだるまちゃんへ」。
絵本作家であるかこさとしさんが、自身の人生を描いたもの。

今年の5月に亡くなったかこさとしさんは、戦争を体験し、激動の中を生きてきました。
そんなかこさんの言葉は力強いのに、どこかやさしくてあたたかい。
子育てや生き方に対するヒントをたくさんもらっただけでなく、心の中がほわっとあたたかくなる癒しをもらいました。

今回はこの本を読んだ感想として、印象に残ったフレーズをご紹介していこうと思います。

「子どもに教えてあげる」ではなく「教えてもらう」

この本に何度も繰り返し出てくるのが、「子どもに何かを教えてあげるのではなく、子どもに教えてもらう」ということ。
絵本や紙芝居の反応も、子どもが一番正直。面白くないものには集まらない。子どもをいかに笑わせるかが大事。

川崎のセツルメントでたくさんの子どもに接し、観察して、彼らの反応を何よりの糧に作品を作り続けてきたかこさん。

親はどうしても、子どもに何かを教えるとか、何かをしてあげるとか、どうしても上からの目線で接しようとしてしまいます。でも、それは子どもから見透かされてしまう。いかに同じ目線で物事を考えられるか。

私自身、子育てをしていて、子どもから学ぶことがたくさんあります。でもどうしても大人のエゴなのか「教えてあげる」っていう立場になりがち。
この子どもから、若い人から何かを学ぶ気持ち、いつまでも忘れないようにしたいなと思います。

大人は大人のことをしっかりやれ

近ごろは、親御さんが過保護なのか、心配性なのか、子どもにあれこれ構いすぎる感じがします。僕は「大人は、大人のことをしっかりやれ!」と言いたいですね。大人としてやるべきことをきちんとやらないで、子どもをどうにかしようたって出来ない相談でね。子どもには大人の代わりは出来ないように、大人は子どもにはなれないのですから、まずは自分が一個の大人として立派にやった方がいい。
そうすれば、子どもたちはちゃんとそれを見ています。子どもたちは、いつだって見事な大人を観察しては、ひそかにみならって努める素晴らしい生物なのです。

私も、かこさんがおっしゃっているように、「大人は大人のやることをしっかりやる」これを大事にしたいなと思っています。だから、これにはとても共感しました。
「勉強しろ」っていうより、いつも隣で一生懸命勉強したり、仕事したりして、その背中を見せてあげられる親でありたい。
そうは言っても、朝の急いでいる時とか夜早く寝かせたい時とか、ついイライラして命令口調になってしまうんですけどね。
基本的なスタンスは、親は親の人生を生きる。子はその生き様を見て自分の生き方を学ぶ。これからの私の子育ても、そうしていこうと思います。

二足のわらじ

実際、事情を知らない人から見れば、僕は、ずいぶん生き生きと会社員をやっているように見えたと思います。二足のわらじを履くことは、どちらも手を抜かず、精一杯やりきるための末々の原動力となっていたのです。

今でこそ副業やパラレルキャリアという言葉が一般的になってきました。そして私も副業をしています。
でも、かこさんはそれこそ50年以上も前から、会社員として働きながらセツルメントで子どもの相手をし、絵本作家として世にたくさんの素晴らしい絵本を送り出してきました。

今を生きる人たちへの応援歌

私がこの本を手に取ったのは、ちょうど育児で悩みを抱えている時でした。

これまでの育児方法が間違っていたのだろうか、もっと娘とよく向き合っておくべきだったのだろうか、もっと自己肯定感を高められるように接するべきだったのか——そんな私に育児や生き方のヒントを与えつつも、肯定してくれたような感じがしました。ほんわりと心が温まり、楽になったような気がしました。

かこさんの話はもう何十年も前のことなのに、普遍的で色褪せない。
「未来のだるまちゃんへ」に綴られたかこさんの言葉は、育児に、仕事に、人生に悩む現代人への応援歌なのかな、そんな風に感じさせてくれる本でした。

育児に迷ったら、ちょっと人生に疲れてしまったら…この本をぜひ手に取ってみてください。きっとあなたの心にもじんわりと響く言葉が見つかるはずです。



文章に加えて写真もブラッシュアップして、より素敵なコンテンツを届けられればと思っています。 新しいレンズを買いたいです^^