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七夕に建礼門院右京大夫


今日この日、七夕といえば建礼門院右京大夫うきょうのだいぶ、月を愛でる人が多いなか「星の発見者」と言われ、「星合ほしあいの歌人」と称された。その慎ましい日記には、星辰の一大絵巻のごとく、見開き数ページに及ぶ七夕の歌が連ねられている。

恋人だった平家小松家資盛すけもりを壇ノ浦で失ったのち、高潔にもその貞操を守り続けた。のち、後鳥羽院の乳母として出仕するが、ほどなくして行方知れずとなり、まさに暁天の星のようにこの世から消えていった。

ながむれば心もつきて星合の
    空にみちぬる我が思ひかな

あるいは右京大夫は織女となって、今日だけは天の川に現れるかもしれない。

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