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「結婚ってなんだろう?」関連メディアクリップ(2019~2023)
自分の思考整理を兼ねて、「結婚ってなんだろう?」という関心で、2019年からクリップしていた、記事や本をまとめてみました。
この期間の私の状況(参考までに)
2019年当時32歳、年齢的なこと、今の夫と同棲していたこともあり、「いつ結婚するの?」というプレッシャーを感じていたタイミング。
結婚ってする必要ある? 同棲で事実婚的なかたちでよいのでは? と思いつつ、まわりの結婚している人の話を聴いたり、なんとなく観察したり、記事や本を読んでいました。
▼当時、ふらっと立ち寄った喫茶店の女性の話を聞いて考えたこと。
いろいろと考えたのと、まわりの環境もあり、2021年に結婚。
その前後は、二人共がキャリアを持つカップルについての本『デュアルキャリア・カップル』の企画・翻訳編集を担当して、本のなかにでてくる転機(パートナーの海外駐在)もあって、いろいろ考えた時期でした。
そんな期間に、クリップしたものたちです。
「結婚しないこと」によるコスト/結婚すると起こる「いいこと」はなにか
結婚生活、基本的に楽しくやっていますが、同棲していたときとの変化は、そこまで大きくない感覚でした。
家族単位での交流が少し増えたくらい。これは人によって悩むところもあるかもしれませんが、私は幸運なことに、ファミリーが拡張して楽しいなと思っています。
大きかったのは、副次的な影響、「結婚しないことによるコスト」がなくなったことのほうかもしれません。
まわりへの説明が、とにかく楽。夫がいることになってから、独身女性への古い価値観によるいじりや謎のアドバイスはもちろん、不要な気遣いから解放された感覚があります。
自分のなかにも、「いつか結婚したほうがよいのだろうか」「子供を持ちたいなら、まずは結婚を」という伝統的な価値観がどこかにあった(賛同していないし、人に対してはそうは思わない価値観だけれど、育った時代的に、自分に対してゼロにはできなかった)ので、そこを気にしなくてよくなったというのも、楽になりました。
このあたりの社会的なコストは、早くもっとなくなっていけばいいなと思います。
あるときから結婚について、とやかく言われるの減ったんだけど、それってナチュラルに哲学返ししてたからかも…。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 22, 2020
「結婚ってなんでしょうね?」って問うて、エーリッヒ・フロムとか日本の家制度の話すると、言いたいだけの人は止まる笑
(本気で気になってる問いだから、話盛り上がる相手もいる) https://t.co/Aazwbhc684
みんな聞かなくなったのは、腫れ物扱いなのかな…?
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 22, 2020
ってちょっと気にしてたから、なんだか安心した。
ある意味、腫れ物なのかもだけど、それで逆にいいのかというか笑
そんなかんじで、哲学返しにのってくる人に「その人の考える結婚」を聞いてるうちに、結婚しようかなと思えてきた最近です。
たしかに、20代でキャリア積んで、30代から妊活って、人体の機能的に効率よくない気がする。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
でと現状は、逆だとキャリア積めないんだよね…
“海外では高校卒業後、すぐに大学に進まない人も少なくない。その間に結婚や出産、育児を選択する例も多い。
”https://t.co/q3s581djeO
・「いつ結婚するの?」という外野の声によるストレス
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
・妊活の金銭的・心理的コストの増加
・「できちゃった婚になるかも!?」という毎月のそわそわストレス
を鑑みると、なんとなく結婚しないことによるコストは、意外と大きいなと気付いた。
御伽話としての結婚への憧れには、辟易としてしまうという意味で、結婚願望はなかったのだけど。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
「この人と一緒に心理的にと物理的にも協力して生きていきたい。
そのほうが日々が豊かになるはず。
あと、子どもがほしい」
とシンプルに考えると、早めがいいなと。
▼「いいこと」としては、『LIFE SHIFT2』に書いてあった、生きるためのコストを割り勘できる(手元に本がなく正確な表現ではないですが……)というのは、たしかにと思っています。
もう一つ実質的な面では、2023年現在、夫の海外転勤に伴う帯同や扶養に入る手続きをスムーズに進めてもらえた(自分の仕事をどうするか自体は悩んだものの)点で、入籍しておいてよかったなと思っています。
結婚に紐づく性役割
もしかしたら、結婚というものに抵抗があったのは、この点が一番大きかったかもしれません。
まだ「夫を育てる」「トリセツ」「男はこうだから~」的な話は、見かけますが……。
同年代~少し上の同僚や友人夫婦(ミレニアル世代、Y世代くらい)を見ていると、性役割から解放された関係の人が増えてきているなと感じています。
個人的にも、私たちはそういうのじゃなくて「個別の生き物同士です」という合意が夫と言外にあったのが、結婚できるなと思った理由の一つです。
「母」や「妻」になって、自分が消えるのがこわくて、結婚にずっと抵抗があったのかも、と気づいた記事。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
”母となった女性が自分の人生を生きるなんてぜいたくなこと、という風潮がありました”
”母としてではなく自分を主語にして感じていることを考えて話す時間”https://t.co/eyhn7bB5K8
“「夫を育てる」という言葉も使いません。最近、パートナーをコントロールするような姿勢が、賢い妻のありかたとして一部で奨励されていることに驚いています”
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
この価値観を受け入れたくなかったというのもある。
そうじゃない人が増えていくんだ、という希望を感じる本と記事でした。
家事と女性と罪悪感。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
この呪いを解く記事。
”「料理は愛情」っていう言葉に物申したいんです”
“全体的に「家事をする」ことが妻や主婦の「人格」に近いものと見なされているから、やらないと罪悪感を感じてしまうんだと思います。家事は「作業」にすぎません。“https://t.co/3khtmQFm8t
▼女性へのステレオタイプについては、もう少し広めにクリップした記事を、こちらにまとめています。
結婚生活とキャリア
仕事が好きなので、結婚するうえでとても気になっていたテーマ。
先述の『デュアルキャリア・カップル』も、前向きにこのテーマに向き合うための本ないのかなと思っていたところで、出会った本でした。
クリップした記事やツイート、この本に共通して共感するのは、皆に適用できる型ではなく、「2人なりのやり方を合意する」のが大事だということ。
私たちは、夫の海外赴任が決まって、「めでたいけど、どうする?」というのが、新しい合意を真面目に話し合わなければいけないなというはじめの転機でした。
今は一旦私が仕事を(前向きなスタンスで)離れていて安定した日々ですが、私が仕事復帰するタイミング前にまたしっかり話し合わないとなぁと思っています。
まとめると私の意見は
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) June 7, 2020
1)男女とも家事はできて当たり前。子供がいるなら、その世話もして当たり前
2)ただし家庭内役割分担は、本人たちが合意してるなら外野が文句つけるべきことじゃない
3)「仕事ができる人なら家事ができなくても問題ない」的な報道をメディアはすべきじゃない
です。
こちらのシリーズ記事も、とても納得感のある対談。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 15, 2020
”夫婦で「私たちルール」があればOK”https://t.co/NIfRpuZqdz
パートナーは、星野リゾートの星野さんなのか。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) June 30, 2021
ベビーシッター4人で、結果をだしてのぼりつめた。それは日産が個人を評価する会社だったから。
そうやってのぼりつめた人のステレオタイプを排除しなくてはならないという言葉の重さ。https://t.co/MnbnC7dBlV
前の会社は「女性だから」、海外赴任できなくて辞めたと。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) June 30, 2021
かなり歳下の私も、前職で同じ壁を感じた…今の若者にもそういう壁はあるのだろうか…。
そもそも男性で昇進する人は、ベビーシッターを1人も雇わず、子育てをどうするかを一切考えていないよね。
あらためて差がすごい…
年収半分以下、地方への引っ越しを伴う転職。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) April 2, 2020
妊娠中の妻にほぼ相談せずにに決めてしまったけど、妻は文句のひとつも言わず、楽しく生活してくれている。感謝!
というツイートがバズってて、とまどう。
生活や人間関わること、話し合わずに、従属させてるんだよ?
全然いい話じゃない…
結婚と政策
よくニュースにもなる、少子化や未婚率の高さ。
政策でもっとできることあるし、それができたら変わることって、まだたくさんあるのだろうなと思っています。
この分野は、もう少し詳しく学びたいところ。
ノーベル賞経済学者ミュルダールを中心に、1930年代から、かなり大胆に政策をつくっていったことがわかる記事。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) July 25, 2022
家族支援のための社会支出はGDP比で日本の2倍。
“ミュルダールは特に若い層向けの福祉政策を人的資本の投資ととらえ、生産性を高める経済政策を兼ねると考えた”
というのも印象的。 https://t.co/rHg5RQYyeH
“旧西ドイツは、男性は働き、女性は家で育児をする「伝統的家族モデル」を政策の基本に据えてきたため、保育サービスは非常に低い水準にとどまっていた”
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) July 25, 2022
そこからの2人の女性大臣による、ドイツの政策の大転換、興味深い。https://t.co/8SRlY9OFkw
東アジアの30代女性として、とても実感のある記事。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 6, 2023
“結婚という手段以外で子供を持つことへのタブー意識が依然として根強い”
“尹は「少子化はフェミニズムのせいだ」と主張”
“日本の万年与党・自民党も、同性婚を認めないなど、結婚制度の改革に反対している”https://t.co/Cr3IJl36Ts
“アジアの市民は、伝統的な家族の役割を軽んじることはできても、再定義する自由は持っていない。それゆえに子供を持たず、孤独にしがみつく道を選ぶ人が何百万人もいる”
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 6, 2023
たまたま結婚したけど、独身でいいのではと思ってたし、今は家族の在り方を再定義したいと思ってる。
記事タイトルがすごい。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) January 6, 2020
家族が「贅沢品」になる時代……誰が”個人”を守るのか?https://t.co/X5T4iftn44
選択的夫婦別姓について
ずっと話題になっているし、自分が結婚する頃にはできるようになってるだろうと思っていたら、全然だったこのテーマ。
個人的には、姓が増えることは面白い経験ではあったものの、どっちも残すかたちにできたらもっとよかったなという感覚です。
そして、社会的には、選択できたほうが絶対いいよねと思っています。
キャリア上の実利的にはもちろん、アイデンティティや女性の権利的にも。
“結婚時の年齢が高く、すでに確立されたキャリアと高収入を手にしている女性は、結婚後も自身の姓を維持する可能性が高い”
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 20, 2023
“彼女たちは仕事で「名を上げる」ことに投資してきた“
選択できることが大事なのではと、やはり思う。https://t.co/qBpWHSoxmp
“結婚はとてもジェンダー的要素の強い伝統によって構成されるものであるとし、「とくに結婚を決意するときなど、多くの女性は『結婚がどれほど家父長的な制度か』ということについて話したがらないと思います」とも語った。”
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 20, 2023
めでたいし、仲良くしたいぶん、話しにくい。わかる。
"名前はその人を象徴するものですから、これは人権にかかわる問題です"
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 20, 2023
"私の名前は、私の『ブランド』なんです。結婚によって、これまでのキャリアで築いてきた信用や評価を失いたくない"
このテーマについて考えると、千と千尋で名前をとられるシーンを思い出します。https://t.co/jGxaTI27qn
"国際的にも「夫婦同姓」を強制する国は少なく、英紙「ガーディアン」によれば、日本は国連女性差別撤廃委員会に法律の改正を求められているという"
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 20, 2023
"現在、多くの日本企業が女性の旧姓使用を許可しているが、これは法的に認められたものではない"
個人的には、日常では支障がないし、名前増えて面白いな、新姓は海外の人に覚えてもらいやすくていいなとは思ってます。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 20, 2023
ただ公募のときに、「本名」って仕事のとき使ってた名字使えないのかとか、ふとしたときに法的に認められていないんだと気づく。
研究者の人とか、真剣に困るのではないかとも
歴史上、結婚はどう捉えられていたのか
今の結婚観って、不動なものなようで、すごく最近のものだという話。
特にこの本は、面白かったです。
子育ては女性の役割という形は、明治以降。知らなかった🤔
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) September 6, 2023
「もちろん授乳などは女性の役割だったが、子育ての責任者は男性だった。いかに仕事も家もきちんとまとめるかが問われた。江戸時代は父親が子供を育てた時代だった」https://t.co/DPpXAwXP0d
パートナーとの死別とどう向き合うか
考えたくはないけれど、「結婚すれば孤独じゃないよね」という言説には違和感があって、気になっているテーマ。
パートナーを亡くしたという共通点で語る、橋田壽賀子と野村克也さんとの対話を追ったNHKスペシャル「令和家族 幸せ探す人たち」は、とても印象的でした。
30年以上前に夫をがんで亡くしながらも、伴侶を亡くした孤独を乗り越え、94才の今も精力的に活動を続ける脚本家の橋田壽賀子さんの日常を、一昨年、長年連れ添った妻を亡くした元プロ野球監督の野村克也さん(84)が見つめる。生きる意味を見いだせず、抜け殻のような状態になったと言う野村さん。橋田さんと出会うことで、残りの人生を生きる支えを見つけることはできるだろうか。
「妻を忘れたい」「泣けていない」という野村さん。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) December 28, 2019
夫が亡くなったあと、悲しみ、泣いた思い出を語る橋田さんの言葉に、頷く。
「この家には主人がいる。沙知代さんもいるでしょう?」
「いますね。おもしろいね。ご主人がいつもいるんだね」#令和家族
第1回は全く噛み合わず、「なにも響かなかった」と言った野村さん。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) December 28, 2019
それが2回目、橋田さんから悲しみが語られたことで、帰り道に「頑張るよ」という言葉がでた。
橋田さんが夫亡きあと綴っていた、夫が畳んだ服のエピソード。
ストーリーテリングの力を思う。#令和家族
野村さんについつは、この記事がとても印象に残っている。
— やすむ@ホーチミン (@yukyy18) December 28, 2019
たぶんこの文章も、だれかを支えると思う。
“私の人生において、唯一、絶対的なもの。
それはいつも沙知代がいる、ということだった。
このがらんどうの人生を、私はいつまで生きるんだろう。”
https://t.co/S9mFBsR042
▼このテーマについては、『ヴォーグ』誌の元編集者で作家のジョーン・ディディオンによる『悲しみにある者」が、とても印象に残っています。
悲しみへの解像度が高すぎて、読むのが辛かったけれど、忘れられないし、定期的に思い出してしまう1冊です。
▼『デュアルキャリア・カップル』と同時期に、パートナーじゃない形の支え合いもあるはずだよねと思って翻訳出版の企画をした本。同僚に引き継いでもらって、2023年中に日本語版も出版予定です。
https://www.amazon.com/dp/0062913298
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