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マグロのカマのオーブン焼きと、最近のざわざわした気持ちなど。


9月になりました。
本来なら新学期という日ですが、どうも今年は節目を感じませんね。
メリハリがないというか、オンオフを切り替えにくい、というか。
私の場合、去年までは毎月どこかに出かけて、その間を縫うように自宅での料理教室というスケジュールで、オンオフがはっきりしていたのですけれど、今年はそういうわけにもいかず。
家の中にいるのも好きなので、それなりに楽しんでいます。本を読む時間も増えましたし、いつになくのんびりできました。
しかしながら、時間は確実に過ぎて行っていて、「できたこと」が少ないまま9月になってしまったことに、今更ながら、ざわざわした気持ちの焦りみたいなものも感じています。

昨日は久しぶりに撮影のお仕事でした。
その時、ライターさんに「お教室のコンセプトは?」と聞かれて、言葉に詰まってしまいました。
私はどちらかというと、おしゃべりタイプなので、こんなことは初めてで、1分ぐらい黙り込んで、「本物を伝えたい、と思ってます……」とひねり出したら、困ったライターさんが「それは本物の料理ということですか、食材の話ですか?」とおっしゃって、またちょっと考えて「食材、調味料、ですかね」と答えたら、シーン。
「和食のお教室ですか?」とライターさんがおっしゃって、ああ、質問の本意はそういうことだったのね、と「和食が中心ですが、家庭料理なので、和洋中エスニック、いろいろご紹介しています」とお答えして。
コンセプト、と聞かれて、すごく大きなものを感じてしまい、すぐに答えられなかった自分に、軽く(ずいぶん?)落ち込みました。

2002年からスタートして18年。当初とはレッスンの内容も伝えたいことも変わってきたように思います。
当初は、とにかく「料理教室をやりたい!」という自分の気持ちが一番大きかったように思います。
張り切ってちょっと凝った料理をご紹介してみたりして。来てくれる人は、20代のOLさんが多く、仕事の後、会社帰りに、という方が大多数で、「みんなちゃんとしたもの食べてね」とまるで寮母さんのような気持ちだったような。もちろん年上の主婦の生徒さんもいたのですが、そういう方は、今日は料理教室だから、と家族に告げて、自分以外の人の作る料理を楽しんで、非日常を味わう場だったのではないかしら。
自分が歳を重ねるにつれ、生徒さんも同様に年齢を重ね、家庭を持つ人、子育て中の人も増え、その一方でもちろん独身の方も多くいらして。
作ってもらう、ということを考えて、もっと「作りやすいもの」をメニューに組み込むようになってきました。
7、8年前から生徒さんと教室旅行にも出かけるようになりました。
沖縄、能登、小豆島、愛知、有田、丹後、十勝。20名ほどで器の窯元や、味噌や醤油、みりん、酢の蔵、日本酒の蔵、ワイナリー、パン屋、農家、酪農家、畜産農家などを訪問させていただきました。
ここ数年は、仕事で地方や海外に行くことも増え、インプットしたものをレッスンでみなさんにシェアする、という側面が大きくなっていったように思います。
デモンストレーションという方式はスタート時より変わらないので、私がおもてなしするちょっとしたレストラン、のように感じてくださっていた生徒さんも多いかもしれません。


しかしながらこの春から、どこにも行けなくなり、自宅レッスンも開催できない状況において、zoomレッスンなどそれなりに対応はしてきたのですが、応急手当的だったな、と。
もうちょっとしたら元に戻れる、と楽観していたものの、ここ数年の私のレッスンスタイルは、もう望めないのではないか。
料理家仲間でも意識の高い方は、もうとっくに先の先まで考えて、新しいスタイルで教室運営をされていることだと思いますが、私ったら本当にのんびり屋で。

もっと言うと、料理教室だけでなく、自分の人生、これからどう生きたいか、と照らし合わせて、料理教室を含めて根本的に今後の設計をしないといけないな、と考えています。


と、少々重めな話になってしまいましたが、そんなことを考えつつも、毎日、のんきにしっかりごはんを作って食べてます。

先日、久しぶりに東急フードショーに行きましたら、立派なマグロのカマがあって、しかも夕方で30%オフだったので、思わずゲット。
ホクホクして帰ってきました。

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カマはしっかり目に塩をして15分ぐらい室温で放置します。
汗をかいたように水分が出てきますので、洗い流して、水分を拭いてくださいね。

耐熱容器や鍋などに入れて、お好みの野菜も入れちゃいます。
私は、玉ねぎ、ズッキーニ、じゃが芋(シャドークイーンとアンデスレッド)、さつま芋、ピーマンを。
じゃが芋とさつま芋は事前にレンジで軽く火を入れました。
ハーブソルトを振って、タイムを乗せて、オリーブオイルをまわしかけて、180度に予熱したオーブンへ。30分焼いて完成。

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鶏肉のソテーと、モウイ(赤毛瓜)のおひたしと一緒に。

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お酒は、日本ワイン。奥野田フリザンテにごりスパークリング。デラウエアから作られた微発泡のワイン。香りはデラウエアを感じますが、甘みはほとんどなく辛口。少し苦味もあり、ちょっとビールのような感じも。

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きれいに食べきりました!
美味しくいただきました!
きっとマグロさんも成仏してくれたことでしょう。

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