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エッセイ*しあわせは、ごはんが連れてきてくれる

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思い出はいつも食べ物と一緒に蘇る。あの人と食べたごはん。旅先で初めて出会った味。一目惚れした器。また行きたいお店。 そんな食まわりのあれこれの、ひそやかなつぶやき。
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2021年1月の記事一覧

じゃが芋と甘栗のグラタン。

昨日は寒かったですね。 我が家のあたりも、夕方ちらちら雪が舞っていました。 今日は暖かくなって、体も心もふうっとゆるみました。 夕べのこと。 こんな寒い日、何食べよう? そうだ、牛乳も残っているしドフィノワにしようと。 ドフィノワは、じゃが芋のグラタン。 フレンチのビストロなどでよく付け合せに出てきたりもしますよね。 以前、レシピを紹介しました。 4月1日からnoteを始めたのですが、「巣ごもりで、何作ろうと困ってる人のお役に立ちたい」という理由からでした。 それで、当

野菜の色に元気をもらう。

もともと好きで始めた料理の仕事ですが、仕事となると、試作も必要で、同じものばかり作ることになります。 同じものと言っても食材や分量を変えたりの「実験」をするわけで、少しずつ違うわけで。 私は「少しずつ違う」同じものを食べることが続いてもわりと平気なのですが、夫には申し訳ないなあと思うこともあります。 が、彼も意外に平気なようで、楽しんでくれてる? ありがたいなあと感じています。 食べるのは同じものでもいいのですが、同じものを作ることが続くと、ああ、自由に料理したい、と思うこ

冬のご馳走、カスレ。

白いんげん豆を煮たのは、カスレを作りたかったから。 カスレのために、鴨も買いに走りました! 以前、料理教室でもご紹介しました。 調べてみると2012年12月。 この時は6品、結構頑張って作ってましたねえ。 カスレはフランス・ラングドック地方の郷土料理です。 ビストロなどで何度か食べたことがありますが、カソールと言われる土鍋で、塩漬けの豚や羊や鴨やアヒルやガチョウのお肉といんげん豆をことこと煮込んだもの。 日本の家庭では、アヒルやガチョウは難しかろう、ということで、レッス

向田邦子さんのこと。

先日のこと、買い物に出たついで立ち寄った。 いや、この展示会に行きたいから、買い物先を決めた、というのが正しい。 向田邦子さんの没後40年の展示会が青山のスパイラルビルで開催されていると知ったのは、LUNAさんのnoteの記事。 会場には、原稿や草案がいくつか展示されていた。 手書きの原稿は、きっと判読できる人が限られていたんだろうな。 彼女がパーっと書き上げたものを、急いでタイピングして撮影現場に持ち込む人がいたのだろうな。 愛用の万年筆、お湯呑み、器、洋服、靴、本。

ありがとうの花束。

このnoteは主にお料理や食の事を書いているのですが、今日はちょっと離れて、昔話を交えながら。 「第2の人生のスタート」と書いた年賀状をいただきました。 会社員時代にお世話になったJさんからでした。 メーカーに就職し、配属されたのは広報室。20名ほどのこじんまりした所帯、若手社員のリーダーが当時副主任だったJさん。 小柄でスリムだけれどエネルギッシュな女性。 情が深くて、面倒見が良くて、頼まれると断れなくて、つい面倒なことも引き受けちゃう。 ご結婚されていたけれど、残業

巻き寿司とおいなりさんで、助六。

土曜日いかがお過ごしになりましたか? 私は次回オンラインレッスンの試作で、巻き寿司といなり寿司作りに励んでおりました。 巻き寿司、伝統的な干し椎茸やかんぴょうが入ったタイプと、マグロやアボカド入りの今どきなタイプを作ってみたのですが、我が家では、昔ながらの方が断然人気でした。 まあ、これは好みの問題かもしれないのですが、酢飯には、甘塩っぱい、茶色いものが合うのだなあ、としみじみ。 マグロやアボカド入りのは、さらっと仕上げたのですが、きっとマヨネーズなど使って、もっと味を濃く、

牛肉の赤ワインバルサミコ煮。

今日の東京、お昼間は暖かくて気持ちよかったのですが、明日からまた寒くなるとか。 お昼はまたまた試作のおいなりさんとチャレンジのだし巻きでしたが、夜も、となると飽きちゃうので、冷凍庫でスタンバイしていた滋賀・サカエヤさんのカレー・シチュー用の牛角切りを使って、赤ワイン&バルサミコ煮にしました。 刻んだニンニク、玉ねぎ、セロリ、人参に加えて、ごぼうも。 私はミートソースを作る時など、あればごぼうも入れちゃってます。この土っぽさが、どしっと味を支えてくれるのですよね。 シチリ

ロースト人参と、おまけの鰤まつりと、だし巻きチャレンジ。

今日の東京は、雪がちらちら。 午後から健診の関係で少し出かけたのですが、寒かったなあ。 出たついでに買い物でも、と思ったものの、バス利用が便利な場所で、そうなるとスーパーに寄り道も遠回りで面倒になって、家にあるものでごはんに。 素敵なチョコレートショップがあったので、ついケーキは買っちゃったのですけれど(笑) 人参がたくさんあったので、The Burn米澤シェフの「ヴィーカン・レシピ」より、シグニチャーディッシュのロースト人参を作ってみました。と言っても、ソースは作らず、

おいなりさんとだし巻き玉子。

三連休、いかがお過ごしですか? 我が家は午後から買い物に出かけたのですが、そこそこ人出はあったような。普段より男性が多かったように思います。 皆さん遠出はせず、ステイホームのための買い出しかもしれませんね。 1月のオンラインレッスンは、おいなりさんと巻き寿司にしようと思い、過去のレシピを引っ張り出してきて、再試作してみました。 節分の巻き寿司は、今や全国的に広がりましたね。 お商売上手な大阪のお寿司屋さんが始めたと言われています。 大阪育ちの私、子供の頃は、ハイ、もちろん

これもブリ、あれもブリ、たぶんブリ、きっとブリ。|鰤まつり10まとめ

年をまたいでの連載となった「鰤まつり」ですが、やっと終着点が見えたので、まとめてみようと思います。 そもそもこの「鰤まつり」の発端は、水産庁の「海の恵み食の底力JAPAN」というプロジェクトに声をかけていただいたことから始まりました。 こちらのサイトの「お魚レシシピ紹介サイト」というところに、プロジェクトに参加した料理人や料理研究家のレシピが掲載される予定です。 私はブリの担当になり、ブリが送られてきた、というわけなのですが、なんと5尾ずつ2回に分けて10尾! 料理教室を

ぶりの香草パン粉焼き。|鰤まつり9

本日より通常モードになりました。 鰤まつりのまとめを、と思っていたのですが、ううう、時間が取れず。 やるやる詐欺になってます。 今日は、料理教室の生徒さんに1月のレッスンのご案内を出したり、オンラインイベントの詳細を詰めていたら、あっという間に夜でした。 1月もレッスンはオンラインにすることに。 首都圏は明日にも緊急事態宣言が発令されるようですし、仕方ないですね。 オンラインイベントは、北海道のチーズ工房さんとのコラボです! 現地には行けませんが、作り手の方の話を聞きながら

おせちもいいけど、カレーもね。|鰤まつり8

月曜日からお仕事スタートした方もいらっしゃるでしょう。 我が家は今日までお休みで、明日から通常営業です。 おせち料理も、一部まだ残っているのですが、すっかり、体が、口が、他のものを欲しがっていますね。 というわけで、カレーです。 年末に、夫が久しぶりに鰤でカレーを作ってくれましたが、「鰤アラでも作ってみない?」と声をかけてみましたら、前回と違うレシピでやってみると。 今回は玉ねぎ刻んだり、切りものは私が担当しましたが、スパイスの調合が彼が。楽しそうでありました(笑) 前回

2021年のお正月雑感。お雑煮のことなど。

あけましておめでとうございます。 1月3日になって、やっと今年のnote書き初めです。 結婚以来、年末年始は大阪に帰省していましたので、どこにも行かず東京でお正月を迎えるのは、初めてです。 あ、一度だけ、東京で、ということがありました。 引っ越すことが決まり、その前に、と義母を招待したのです。 一度も来てもらわないままだったので、こりゃいかん、と。 元日はうちで泊まってもらい、翌日は国府津の旅館を予約。 なぜに国府津?と言いますと、義母が駅伝ファンで、一度は沿道で応援した