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つたない言葉でも、伝えてみる。

「すごい」という言葉をよく使ってしまう。

話している時もそうだし、書き言葉でも。
「すごい」「すごく」。
なんか「すごく」って好きなんです。響きが。
すごく、好き。
ああ、やっぱり使っちゃう。
書き言葉は、今はよしとしよう。

わりと古くからの知り合いで、ものすごく(笑)好奇心旺盛な人がいる。フリーランスとして複数の仕事をしつつも、大学院に通い、興味のある資格はすぐに取り、時間があればあちこちと旅にも行く。人生を楽しんでいる人、主体的に生きている人というのは、こういう人なんだろうなと思う。

facebookで珍しい資格を取ったという話を見かけたので、先日ちらっと会った時に「見ましたよ」とその話をした。そして口から出たのだ。「すごいですよね…」という言葉が。

最近一つひとつの言葉へ意識が向くようになったからか、「すごいですね」が出そうになる瞬間、一瞬「すごい、でいいのだろうか」と思った。でもそれ以外の言葉が思いつかず、さらりと言って、終わった。

「すごい」という言葉を使う時、どうして少しのためらいがあったのか。
その心の内を、覗いてみる。

別に、相手を不快にさせる言葉じゃない。
でも、リアクションの言葉の一つとして使っているだけで、その言葉に意味を持たせてないんじゃないか、意味なく「すごい」を使ってしまっているんじゃないか…と。そんな点が気になった。

そしてもう一つ気になったことがある。
相手からしたら、「すごい」と言われてもねぇ…とも思うような気もして。それが、不快ではないにしても。
だってその人は、すごいことをしているつもりはないのだから。自分の好奇心に従って、とにかく楽しく生きているだけなのだから。

あぁこれは「ボランティアしてる」と誰かに話した時に「えらい」と言われる感覚と似ている。「ほんと、えらいよね」というリアクションが瞬間的に返ってくると、いつもモヤっとしていた。

自分が思っていることを伝える言葉として。
そして相手が受け取りたい言葉として。
その両側面から考えても「すごい」は適切じゃなかったかもしれないなぁ。

どういう言葉がよかったんだろう。

その人がいろんな縛りなく、心のままに行動している姿がいいな、と思った。生涯学び続ける人って、こういう人だなって。私もそうなりたいなって、心のどこかで少しそう思ってる、気がする。

「尊敬してます」
「憧れています」

なんか違うな・・・・
そしてその場面で言うには、なんか重い。


別に「すごい」とか「尊敬」という言葉にまとめなくてもいいのか。

「自分のやりたいことをどんどんやるって楽しそうですね!」
とか、
「私もそういう生き方、少しまねしてみたいです!」
とか。

じっくり分解してみることで「あ、こう思ってたんだ」と気づけたから、実際にその場面で言えるかはわからないけれど。

でも、しどろもどろになっても、言葉をつなぎつなぎになったとしても、適当に「すごいですね」と言うよりは、いいかもしれない。

自分が本当に思っていることをちゃんと伝える。
それは自分にも相手にも嘘をつかない、ということなのかな。

無理に一つの言葉にまとめずに。
つたなくても、いいから。


そんなわけで、今日はここまで。

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