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独居高齢者が熱中症になる理由

ヘルパーの仕事で訪問すると、家の中で利用者さんが倒れていた、ということが毎年のように起こる。高齢者はいとも簡単に熱中症になってしまう。

今回は、これまで私がみてきた一人暮らし高齢者の熱中症の原因について書いていく。

暑さ寒さに鈍感になっている

そもそもはコレ。高齢のせいで気温の変化に鈍くなり、暑いも寒いもわからなくなっている。そのため認知症や病気がなくても冷房を「30℃」に設定したりする。家族がどんなに口をすっぱく言い聞かせても、本人にしかわからない感覚なので変えることは難しい。

エアコンが使えない

・使い方がわからない

認知症になるとボタン操作に弱くなる。「簡単リモコン」なども売られているが、たとえボタンの数が少なくとも、新しいモノに買い換えるとかえって「慣れてないから」使えない、ということもある。

認知機能だけでなく、視力が落ちたり、指先がうまく使えない方にもリモコン操作は難しい。間違った操作をするので、設定温度がむちゃくちゃ。真夏に「暖房」になっていることもよくある。

・壊れている

古くなって壊れているが、それに気づいていない。もしくは、修理方法がわからないので放置している。

認知症の方の場合、口では「ちゃんとエアコンを使っている」と言っていても実は使えてなかったり、先週まで使えていたものが急に使えなくなる、なんてザラにある。

家族に迷惑をかけたくないから、エアコンが壊れていることを言い出せず「ちゃんと動いている」と答えることも。本当にエアコンが使えているか、実際に試して確認してもらったほうがいい

厚着をする

「寒いのは嫌いだから」と厚着をしたり、重ね着をする方はけっこう多い。

6月下旬あたりだと「まだ梅雨だから寒い」という思い込みがあったり、認知症のせいで季節がわからず、厚着をしてしまう。エアコンをつけると「冷えるから」とさらに寒がり、厚着をする。

薄着に見えて、実は下着を何枚も重ね着していることも。ズボン下を4枚も5枚も重ねていたり、痩せている方はちょっと見わからない。

精神的な理由

精神的な理由からエアコンを使うことに抵抗があるケース。

「エアコンなんて、電気代がもったいない」「俺が子供の頃にはエアコンなんてなかった」「今の若いモンは根性がない。昔の人間は鍛え方が違う」などなど。

昔よりも平均気温は高くなっているし、熱中症になって倒れたら病院代が電気代よりもたくさんお金がかかります・・・。

・農作業しちゃう

暑さに鈍くなっていることもあり、「これくらい平気だ!」と炎天下で畑仕事や庭の草取りに勤しんでしまう。女性はさらに「日焼けしないように」と長袖(セーターやウィンドブレーカーなど)を着込んでしまうことも。

水分補給ができていない

高齢になると、のどの乾きを感じにくくなる。「ちゃんと飲んでる」つもりでも、緑茶やコーヒーばかりで水分として体内に摂取されず、結果的に脱水症状を起こしてしまう。のどが乾いていなくても、時間をきめて飲んでもらうほうがいいが、どうしても飲みにくい方は果物やゼリーなどでもマシ。

こむらがえりを起こす方は脱水症状の可能性があるので要注意。

窓を開けない

一人暮らしの方はとくに防犯に気をつかい、窓を締め切っていることがある。真夏はもちろん、初夏や初秋など「エアコンを使うほど暑くない」時期でも部屋の中に熱気がこもって熱中症になってしまう。

家族が同居でないかぎり、部屋の温度を管理することは難しい。エアコンを買い換えるときはできるだけ今と同じリモコンが使えるものを選ぶとか、スマート家電で遠隔操作するなどの対策が必要。

いざという時のために冷蔵庫にOS-1を常備しておくのがオススメ。本人が飲むためだけでなく、熱中症になってるところをヘルパーが発見したとき、すぐ飲んでもらえます。

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