月と夕と夜と出産
月
ゲツ、ガツ、つき
月の形、闕くるなりとあり、三日月の形
中に小点を加えて実体のある事を示すとされる
月は確かに欠けるものであるが、満ちるものでもある
その意味で、三日月を月の象徴とするのは、不可思議である
よって、月とは、半分以下のモノを象徴する概念であり、ならば半分以上の月は、どう表現されたのだろう?
恐らく、夜。
夜
ヤ、よ、よる、よなか
大と夕に従い、大は人影の横斜している形。
人の臥す形とされるが、
これは、月光によって生じた人影だと思う
つまり、夜とは、月明かりの晩、満月の頃の夜を指すのではなかろうか。
夕と夜の概念は、夕方と夜更けの違いではなく、
月の満ち欠けが生んだ概念と想像する。
夕
セキ、ゆうべ、よる
夕べの月の形であり、月の字系と互易する。
闇の空の半分を月が、半分を夜が
さらに闇の半分を地下が支配する。
夕の空の世界は、月と夜が分かち合う。
闇の中、欠けていく世界、満ちていく世界、その概念が月と夜だったんではないだろうか。
さらに、月は肉づき、舟づきから変化している。
人体の臓器には、肉付きである月が、
朕などの漢字には舟付きからの月が使用される。
元々全く関連のない漢字とされるが、果たしてそうであろうか。
その源流は、何か同じ概念から派生しているように感じられるのだ。
肉
ニク、ジク、ししむら、はだ
切り取った肉塊の形、大きな肉
舟
シュウ、ふね、ばん、うけたらい
舟の形、盤形の器の形
月は欠けた月、
肉は切り取った肉塊、
舟は盤、
これらは、出産にからむ一連の概念だったのではなかろうか。
子供を産んだ母体が月
赤ちゃんが切り取られ肉塊
舟は胎盤
女性の身体の中から、
赤ちゃんが胎盤に載って生まれてきた
その神秘をいう
そんな気がして仕方ない
妊娠という神秘に関する古代の人々の感性が、
月、肉、舟という文字を生み出したのではないだろうか
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