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熊が意味するもの

熊という漢字は「能」と「火」から構成される。
白川静氏の字統で意味を調べても、象形から動物のクマにつながる理由がなく、能がヤドカリに似た水虫のような生き物を指しており、嬴(えい)という漢字と初形が似ている。
嬴はヤドカリの象形に女をそえた字形である。

熊についてのイメージは、冬に冬眠する事。
つまり冬に姿を消す。
また、大きく黒く毛深い。

ヤドカリは宿を背負って移動する。水と関係する。
二つ仮説が成り立つ。一つは海洋民族。海を渡り歩く民族、時には川を遡っていただろう。
そして交易を行なっていた。

南方からやってくる色黒の毛深い人々がいた。
彼らは季節風や海流を利用して海の道を自在に行き来した。
暖かい場所に住む人々だから、冬には姿を消した。熊に火が入るのは、南方の象徴だからか?南方朱雀は火の鳥である。

もう一つは、北方西域の民族。水場、オアシスを求めて移動する遊牧民族。毛皮を着て大柄な人々か、毛深くて大柄な人か。高温の火を使う文化ー炉を作った。


嬴(えい)は、秦王の姓である。
秦の始祖の母は玄鳥の卵を飲み込み、子を孕んだ。玄鳥はツバメ、黒い渡り鳥。鳥は風を受けて飛ぶ。つまり帆船を操り、春にやってきて秋に帰っていった。冬に姿を消す。

ヤドカリが海洋の人で熊が遊牧民族を指し、この移動する人々を使い分けたのかもしれない。

熊といえば朝鮮の建国神話の檀君朝鮮に登場する熊女がいる。檀君の父が洞窟で虎と熊と出会い、熊だけ女に変わり結ばれ檀君が生まれた。虎は恐らくアムール川など北方ロシアの勢力(白い人)を、熊は南方もしくは遊牧民族の勢力(黒い人)を象徴。いずれにせよ朝鮮の建国は、黒い人との勢力と結びついた。

朝鮮半島は地理的に非常に重要である。

先程の檀君神話の他に、倭国の東北の多婆那国女王の産んだ卵からかえった新羅の王昔氏。この場合は日本海側東北地方の勢力との結びつきが伺える。

日本はシルクロードの終焉の地なのでなく循環の地。おそらく冬の季節風にのって大陸から姿を消し、日本にやってきた。反対の事をいうと、冬にだけ日本に姿を見せた。白鳥である。織姫は機織り。日本製シルクが生産され運ばれていった。


現在、西域の情勢が非常に不安定であるが、古代にも同じような事が起こり、日本に亡命してきた人々がいたと推測する。大陸からの経路は朝鮮の南か北か。インド方面か。

どの海神を頼り、誰がどこにやってきたのか。
それを詳しく調べていきたい。

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