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2021年9月の記事一覧

「そもそも映画が何なのかがわからなかった」頃のこと

「ニー仏シアター」こと Twitchでのウォッチパーティは、先月半ばに開始してから順調に上映回数を重ねており、前回はタランティーノの「ヘイトフル・エイト」を参加者の方々とともに視聴して、その名作ぶりを確認するなどした。ちなみに今夜も、20時から「トロイ」を見る予定である。アマゾンプライム会員でさえあればウォッチパーティには参加していただけるので、新規の方も常連さんも、またご一緒に楽しむことができれば幸いだ。  ところで、「ニー仏シアター」の最中にも何度か述べてきたことである

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ワクチン副反応の顛末と、それにまつわる若干の感想

 コロナワクチンの2回目接種を終えて副反応も落ち着いた(ように思われる)ので、個人的なメモも兼ねて報告を書き留めておく。

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自己利益だけを考えるコドモの社会では「仕方ない」がいえなくなる

 一昨日、昨日と宗教に関する話をしてきたが、結局のところ私が現代の日本人について足りないと思っているのは、「仕方ない」といえるための世界観なのである。

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しょせんこの世のことですから

 昨日のエントリでは後生や来世について説く宗教の救済力の高さについて述べたわけだが、このような救済力は、単に「次の世に期待して、今生については目を瞑って耐える」という形でのみ発揮されるわけではないと、私としては考えている。要するに、早く死後の世界に趣くことだけを希望して、現世における生をますます嫌悪するという態度が、そうした信仰の帰結になるわけでは必ずしもないということだ。むしろ私としては、「眼前のこの現状だけが全てだ」という現実教の軛から脱却して、この世を相対的なものとして

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宗教にはぜひ堂々と、来世に救済のあるべきことを説いてほしい

 しばらく前から、「今後は死後の世界について明示的に説く宗教あるいは宗教者が、徐々に勢いを増してゆくことになるだろう」という話はしていたが、残念ながらあまりよろしいとはいえない我が国の世相を眺めるにつけ、この予感は日々ますます強まるに至っている。

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責任の雲

 われらが大アジアの誇る仏教にいわせれば、だいたいのことが水面に映る影に過ぎない。2020年代の三条から四条へと下る鴨川の表情は、人工的な段差に区切られ、ときにちょろちょろ、ときにドドドドドドドドド...と流れていく。たしかに同じ形を見出すことが難しい。  少し時間の余裕ができると、ついネットを漁ってしまう。膨大な積読を読むべきなのに、スマホやPCを触ってしまう。今朝は「氷河期世代の責任」といった話題がSNSで流れてきた。ぼくも該当するので思わず読んでしまった。主旨は「氷河

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「虫化」しないための瞑想

 表題のエントリを書く書くといいながら、ここまで書かないでしまったのだが、なぜそうなってしまったのかというと、本エントリでこれから述べようとしていることは、全て至極「当たり前」のことばかりだからである。結局のところ私がいいたいのは、「その閉じている目を開ければ色が見えますよ」という程度のことなのだが、これは既に目を開けた人にとっては自明のことであると同時に、未だそうしていない人にとっては「なぜそんなことをしなければならないのか。色とはどのようなものであるのか。それを見ることに

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カーマやアルタでしか世界を見ないのが小人というものだ

「いい大人が恋愛とか異性とかの話を続けているのはみっともない」という議論を見て、いいたいことはわからないでもないが、そこで恋愛とか異性とかの代わりにする話が「家庭」とか「ビジネス」とかになるのであれば、その「大人」レベルはさして大きく変わるわけでもないんじゃないかと思うなどした。

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自由恋愛市場輪廻に流されて、不幸に苦しむ善男善女は大勢いる

 土曜の夜にはブルーオーシャン男子の当事者こと、くどうさんとのツイキャス対談。彼とはけっこう長い付き合いで、これまでの経緯も多少は知っているのだが、今回は久しぶりに現在の状況と心境をゆっくりとお聴きすることができて、とても楽しい時間となった。 (※録画視聴パスは、9月1日のエントリから取得できます。)  内容についてはもちろん録画をご参照いただきたいのだが、今回の対談をきっかけに私が個人的に考えたのは、向いていない人であっても自由恋愛をやらざるを得ない恋愛資本主義社会の持

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誰かの頭の中で鳴るノイズにはなりたくない

某年7月28日  毎日目にするベランダの植物は、毎日目にしているのに日によって違って見える。その日晴れているか雨かでは明らかに違う。けれど、晴れ続きの日に違って見えると、私は自分の中で何かが起こっているとしか思えない。植物は眩しい輝きを放って空に向かって伸びている日もあれば、今にもぽっきりと折れてしまいそうに頭をもたげている日もある。植物は日々、私の心の様子を如実に表している。彼らはきっと芸術家で、私に鑑賞されることをいつも心待ちにしているみたい。  植物は優しい。自身の

「虚構や宗教は大切ですね。私はそれを信じてないけど」の袋小路

「21世紀は宗教の時代だ」とか、「社会を成り立たせるには虚構や神話が大切だ」とか、そんな言説はしばしば見かける。もちろん私としても、その主張の意図は理解できているつもりなのだが、個人的に気になっているのは、そうしたことをいう人たちの大部分が、「でも私は、宗教(とか虚構とか神話とか)を信じているわけではないですけどね」という態度を(そう明言するかどうかは人によるが)同時に示していることである。自分が信じていない(信じられない)宗教や虚構や神話などが、社会の円滑な運営のために重要

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「井の中の蛙」としてドヤる期間も、大海に乗り出す前には必要だ

 前回、前々回とマッチング関係の話をしていて、「まあこの現状もインターネットが恋愛市場を統合して、価値基準の多様性を押し流したことの結果だよなあ」と思うなどした。以前の記事で述べた、「それぞれ多様な集団が相互に活発な交流を行う一つの場が形成されると、そこでの価値基準はむしろシンプルで単一なそれに収束しがちだ」という問題である。

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自分の力不足に耐えられないなら、信頼できる教師を見つけて従うしかない

 先月末にこんなツイートが微妙に拡散されたので、「そういえば noteでは勉強法みたいな話はあまりしてないな」と思いついた。もちろんしないことには理由があって、おそらく本noteの購読者の方々は入学試験等は終えられている場合が多いだろうし、またなんとなく伝わってくるかぎりでは、そもそも勉強がどちらかといえば得意なタイプの人のほうが多そうなので、いまさら私が語る「勉強法」などに関心はないだろう、と考えていたからである。  それに、最近は『独学大全』といった書籍も出ているし、他

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