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時々読み返したくなる記事、疲れた時に是非。
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「さみしさ」という鋳型

「寂しさを感じているが実際に人と会うと疲れるというタイプの人は、『交流をもっと持たないと』という観念にとらわれず、無理に友達の幅を広げようとしないほうが、結果としてQOLは上がるのではないか」という趣旨のツイートを見て、たしかにそうかもしれないと思うなどした。  過去のエントリでも何度か話題にしたことがあるけれども、この「さみしさ」というのは仏教で言われる「渇愛」と似たところがあって、単なる一時の感情であるというよりは、むしろそれを発生させるエネルギー源もしくは構造として、

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変化の年

会社も辞めたことだし、今年は変化せざるを得ない一年になるだろう。 入社したその日から、長くは続かないだろうと思っていた会社員としての生活を、2年近くも続けられた自分を褒めたいと思う。そして辞めるタイミングもなかなか良かったのではないかと、振り返ってみてそう感じる。 最後の出社日はPCや社員証の返却のみだったから昼前に帰宅することになったのだけれど、その帰りの電車から流れる景色が、太陽の豊かな光が見慣れた街並みを燦々と照らしていてとても美しく、心に残っている。それに呼応して

何故恵まれない人間は努力しないのか?

特別支援学校出身の発達障害児が3年で偏差値を65上げ筑波大学に現役合格した話 私は中学まで特別支援学校に通っていた。高校から普通高校に行ったのだが当然授業はさっぱり分からない。私の通った高校は所謂名前さえ書ければ入れるクロマティ高校であり、入学時にそれまでの単元をちゃんと履修してるか?等の確認は勿論しなかった。この高校を知った時は「最高かよ!」と思ったが実際に入ってみると、それは「私に限らず生徒みんな授業の内容とか分からないので先生も教える事を諦めて淡々とマニュアル通りに物

「正しい答え」を集めた先に、「教養」があるわけではない

(※録画視聴パスは、10月1日のエントリより取得できます。)  そんなわけで宣言どおり、ハート『法の概念』の(ひとり)読書会を順調に(?)進めているのである。  このような「読書会」をやっているのは、これまでも何度か述べてきたとおり、テクストを読むという営みのいわば「深み」と、そこにおいてこそ涵養される「文系」の知的能力という、現代日本においては顧みられることの少なくなったように思われるものについて、少しでも人々の関心が向かうための一助になれば、という動機があったからであ

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「文系」不要論の背景にあるもの

 というわけで、前回の記事の続きである。  一昨日の上掲エントリでは、いわゆる「文系」の知的能力の性質について私見を簡単に述べてみたわけだが、今回はそのような知的資質の「人格」との関係及び、その現代日本における需要(の減少)について少しばかり論じてみたいと思う。

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いわゆる「文系」の知的能力について

 前回の記事では、牧原出『田中耕太郎』について全般的なコメントをしたわけだが、本稿ではその緩やかな続きとして、いわゆる「文系」の知的能力の性質に関する私見を少しばかり述べてみたい。同書の記述に触発されて、昔からこの点についてなんとなく考えていたことを、この機会に簡単にまとめておきたくなったからである。

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よい評伝は、しばしば深すぎる愛の所産である

 1年ほど前に出た田中耕太郎の評伝を、いまさらながら読んだのである。  田中耕太郎は、一般にはおそらく砂川事件や苫米地事件といった著名な事件を扱った時代の最高裁判所長官として知られていることが多いであろうが、それ以前に彼は東京帝国大学の教授であり、敗戦後の日本の文部大臣であり(この資格で日本国憲法に署名もしている)、また参議院議員であり、そして最高裁長官を退いた後は、国際司法裁判所の裁判官も9年間勤めている。このような多彩な職務・立場を個人がその一生のうちに経験することは、

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「解散命令請求」は何を解散させるのか

 旧統一教会に対する解散命令請求が今月13日になされたことで、「政教分離」が一部でまた話題になっているようである。ただ、政教分離の基本的な理解について、本noteでは上掲のツイートに引いてある過去エントリで、既にまとめて述べてあるから、本稿では今回行われた解散命令請求というものの性質について、基本的な情報をまとめた上で、私見も簡単に示しておきたい。一部SNS等をみる限り、知識人というべき方々であっても、この請求の性質について、誤解をしている人が少なからずいるように思われるから

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まともな大人になるためにこそ、ボケッとする時間が必要だ

 何しろ人間は、ボケッとする時間をとらなくてはいけない、ということを、最近はよく考える。

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ほとんどの人は知らないままで

 今日もSNSでは「早く◯◯しないとダメ! 勝ち組はとっくにやってるぞ!」とか、「✕✕歳になったらもう手遅れ。そうなる前に着手しておけ」とか、そんな投稿がしょっちゅう流れてきており、これは仏教もまだまだイケそうだなと思うなどした。

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言葉を「血肉化」するためのプロセス

 10月はじめの雑談では、「ひとり読書会」のプランについて語ったりなどしたのだが、なぜ私がこういうことをやりたい(やる価値がある)と考えるのかについて、もう少し言葉を補っておきたくなった。

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みんな宗教に「騙され」たくない

 1年前のエントリで予測した未来が、着々と現実化しつつあるなあと感じる、昨今の世相なのである。

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本当は「言挙げ」などしないほうが幸福なのかもしれないけれど

 先日のエントリで述べたとおり、最近は瞑想を楽しんでいるのだが、瞑想が楽しければ楽しいで、困ってしまうことというのもないわけではない。

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一口エッセイ:毎日スト6しかしない生活保護の友人

 高校時代からの友人が、近所で生活保護を受けながら暮らしているので、たまに様子を見に行く。たいてい向こうから僕の家に来てSwitchなどを遊んでいるのですが、ごく稀に僕から彼の生活っぷりを確認しにいくこともあるのです。  彼の部屋はこんな感じ。モニターとアケコン、画面の割れたノートPCしかなく、毎日スト6以外のことは殆どしていない。  一応、反対側には机があるけれど、それだけ。ホワイトボードには、スト6が上達するために気をつけるべき点が記されてある。本当に、寝て起きてヨー