見出し画像

【エッセイ】結婚生活のチェックポイント

(2709文字)

東洋経済ONLINEに面白い記事があった。

離婚率の都道府県ランキング。
一位は高知県で、最下位は意外なことに東京都。
ボクのイメージでは逆だった。東京都がダントツ一位のイメージ。
大都市を擁する県の離婚率が高くて、そうじゃないいわゆる田舎の方が離婚率は低いと。しかし、実際は逆。
そもそも婚姻率が低いのかと調べてみると、東京都が一位でした。
人数が多いから相手が見つけやすいということでしょうかね。
この記事では、離婚率の低い東京圏・中部圏は定住率が高いエリアで、古い価値観が支配して若者が出て行くエリアは離婚率が高いので、定住先に選ばれるエリアかどうかが関係しているのではと書いている。

都市部は婚姻率が高く、離婚率が低い。
このことをなぜだろうとボクなりに考えてみると、まずは家制度の名残で離婚しないわけではないということ。おそらく核家族がほとんどでしょうしね。
親が近くにいないというのはデメリットもあるけど、口出しをされないメリットは大きい。
そして、都市部は多様な価値観の中で、収入が多くても支出も多く、子供ができれば教育費もかかる。家賃や家のローンも高くなる。地方に比べて厳しい環境とも言える。
子供を育てるため、生活レベルを落とさないためにも、夫婦が協力した方がメリットが大きいということではないのかと思った。
つまり、厳しい環境で生き抜く共同体としての夫婦。
それは原始時代から変わらない夫婦の本質のように思う。

ただね、協力する必要があるうちは良いんですよ。
主に子育て期間でしょうね。
子育て期間も終わって、自分の時間も、自由になるお金もできてきた頃。
つまり、ボクの世代ですね。50代前後からですよ。
それじゃ、これからは夫婦水入らずで休日を楽しく過ごそう、なんて夫婦はごく少数。勝手に決め付けちゃうけど(笑)
ボクが住む宮城県は、離婚率ランキングだと36位。下の方ですね。東北地方で唯一、全国平均を下回っている。
それでもボクの周りの4〜50代で、夫婦仲が良いという人は少ない。
夫婦仲を良くしたいけど相手にその気がないという人や、子供が自立したら離婚すると相手にも言っているという人もいる。
もう同居人のような感じで、あまり会話もないけどそれで良いという人もいるけど、できれば仲良く暮らしたいというのが本音だと思う。
登山の女友達には、登山の予定が決まると、夫の食事の用意を仕込んで来るという人がいる。子育てが終わったのに、まだ子供が残っていたという感じか。
というか、ペットの餌の心配に似てるような。
急に登山の予定が決まったので、夜に急いで掃除したなんて人もいた。
なんで?って聞いたら、家事を疎かにして出かけると、夫に「お前は家のこともしないで遊んでばかりだな」と言われるらしい。お前が掃除しろって言ってやりたいけどね。

それでも離婚するまでのことではない、少し我慢すれば良いだけ、ということなのだと思う。
この時代でもまだ離婚は重い。
成人したとはいえ、子供は悲しむだろうとか、親に心配かけたくないということもあれば、恥ずかしいというような社会的な見え方を気にする場合もある。
でもやっぱり、50歳を過ぎようが、お互いを思いやって愛情表現もできる夫婦でいた方が幸せだと思うし、その幸せを求めることに諦める必要はないと思う。
だから、夫婦としてのチェックポイントを設けると良いと思うんですよね。
それをあらかじめ決めておく。

子育てが終わって、共同体としての期間は終わった。
さて、それじゃ、これから自分たち夫婦はどうやって生きるか。
つまり、この先も共同体を続けていくか、新しいパートナーを探して共同体を作るか、ひとりで生きていくか。

このままお互い助け合って生きていこうと意見が一致した、愛し合っている夫婦はそれで良い。
でもここで、どちらか片方でも、このままこの生活を送るのは嫌だとなった場合が問題。
その場合は、常識を取っ払って自分たちに合うスタイルを考える。
男として、女としての付き合いはできないけど、嫌いというわけではないから、家族として同居は続けて、それぞれ好きに生きようという人もいるでしょう。
どちらかに新しいパートナーが見つかったら離婚しようとか。
もう、キッパリ離婚して新しい人生をやり直したいという人もいるでしょうね。
話しているうちに、離婚するということをリアルに考えたら、お互い好きな気持ちが残っていることに気がつくこともあるかも。

最初から、こうしたチェックポイントで話し合おうと決めておけば、離婚に至るにしろ、いがみ合う前に別れられると思うんですよ。
離婚してそれぞれに新しいパートナーと暮らしていても、子供の結婚式には揃って笑顔で出席できるとか、離婚を「悪いこと」として捉えなくて済む。
子供にもそれぞれのパートナーを紹介できる関係だと良いと思う。
実際、アメリカの知り合い夫婦はそんな感じ。

第二の人生をどう生きるか。
幸せに生きるために前向きに離婚することが当たり前になれば、恥ずかしいとか後ろ指刺される心配をすることもなくなると思う。

そして、そういうチェックポイントをあらかじめ決めておくと、そこまでの夫婦関係も変わると思うんですよね。
相手をちゃんと思いやって生活しないと、そのチェックポイントで離婚して欲しいと言われる可能性が高くなる。
今までだと、特に男ですよね。
前述のように、「お前は家のこともしないで遊んでばかりだな」なんて言わずに「楽しんでおいで。掃除は俺がしておくから」なんて考え方を変えた方が良い。
「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ」なんて男は論外です。いまだにいるそうですよ、驚きですが。
育児もちゃんと協力、ではなく、一緒に子育てをする意識じゃないとダメ。
女性の方は、のんびり専業主婦なんて考え方はできなくなるかも。まぁ、今や少ないと思うけど。
出産というハンデはあるけど、育児の割合が夫と半々になるなら、なんとかキャリアを続けるか、金銭的にひとりでも生きていける力を身につけなければならない
(ちなみに離婚したら、夫の年金から結婚生活の期間に応じた額が振り込まれるシステムになっているので、その点は調べておくと良いです)。

そうなんです、結局ひとりで生きていく、ということ。
その上で、ひとりで生きていける同士が、協力して、補い合って、幸せな結婚生活を送ることができれば理想なんじゃないかと思う。

まぁ、実際はいろんな人間関係があるからね。
依存する、されることでオッケーという夫婦もいるし。
まぁ、そのこともチェックポイントで確認すると良いと思うけど。

とにかく、結婚に縛られない幸せな結婚生活ができると良いかもね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?