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小さな診療所

週末から少し喉の奥に違和感があって、なんとなく嫌な感覚を感じていた。
で、少し熱っぽいな〜と測ってみると37.8度・・・
これは・・・まさかの・・・と心配になって、近くの内科の小さな診療所にすぐにいくことにした。

お昼の12時45分が受付終了ということもあって、駆け込みできている人たちがたくさんいる。
待合室の席も、ほぼいっぱいで、入り口の近くのパイプ椅子に腰掛けて診察を待つ──。
マスクをして具合の悪そうに俯く人、咳き込んでる人も多いな。
みんな風邪なのか、なんの病気なのか・・・
ま、自分も含めて調子が悪いことには変わりなく、
みんな小さな診療所のおじいちゃん先生の診断を心して待っている。

30〜40分スマホを触ることもなく、ぼーっとして待っていると、やっと診察室に呼ばれた。

「どうされましたか」
「少し熱が出て、喉の奥あたりに違和感があって・・」
(おでこで熱を測って)
「ん〜、37.4度ですね、ちょっと喉の奥もみせてください」
「お背中も少し・・・」

そんな感じで、小さな診療所のおじいちゃん先生は、ある意味、安定感しかないパターン化された問診で進めていく。

「コロナの検査はどうなされますか。してもしなくても処方やお薬は変わりませんが・・・」

なんとなくだけど、コロナの検査をいちいちしない方がいいですよ、的な言い方が少し気になる。

「家族も心配しているので検査をお願いしていいですか」
「そうですか、では検査しますので第4診察室へどうぞ」

おじいちゃん先生は少し間を置いてから、しょうがないな、的な顔つきでゆっくり立ち上がって、すぐ隣の診察室に移動した。
僕も一緒に移動し、椅子に座ると例の鼻の奥に突っ込む検査となった。

「はい、入りましたので5秒待って・・・・・、はい、ぬきます」

慣れた手つきで、少し鼻水がでている僕の鼻に、おじいちゃん先生は検査の綿棒みたいなものを突っ込んだ。
インフルエンザとコロナの同時検査キットらしい。
コロナも5類になって、もう完全にインフルと同じレベルになったもんだな、と思った。しかしながら、この手の検査はいつもながら気分がいいもんではない。
そもそも、こういうのを突っ込んで検査をしている時点で、明らかにいつもと違う病気になっている訳なので・・・。

「15分すると結果が出ますので、そこでそのまま座って待っててください」

ある程度、覚悟を決めて少しぼーっとした感覚の中で、長い15分がはじまる。

そうだよな〜、普段、熱なんて出たことないし、そこまで辛くはないけど、なんとなくいつもと違う感覚あるし・・・
きっと陽性なんだろうな、何かしらの・・・

そんなことを考えながら、途中、どんな結果が出ているのか、目の前に置かれている検査キットを覗き込んでやろうかと思ったけれど、そんな元気もなく、うな垂れるようにして椅子に座っていた。


長い15分くらいが過ぎると看護師さんが入ってきて検査キットを覗き込んだ。

「はい、大丈夫ですね、先生から結果のご説明がありますのでしばらくお待ちください」

何が大丈夫?なのかは不明だが、とにかく結果は出ているらしい。
ここまできて覗き込む気にもなれず、大人しく座り込んでいた。


しばらくして、おじいちゃん先生がゆったりと部屋に入ってきた。

「はい、コロナですね。インフルエンザはA・B共にかかってません。」

ニュースでやっているようなコロナ治療薬についても聞いてみたところ、効き目もイマイチよくわかっていないし、高額で2万〜3万円かかるため、勧めていないということだった。厚労省のガイドでも65歳以上の重篤化するリスクの高い方がメインとなっているらしい。

「いつものカロナールとトランサミンを処方しておきますので、薬局でもらってください」

あっさり・・・ある程度予想はしていたものの、やはり本人的にはショックを受ける。自分はもうかかってしまっているから自業自得だとして、家族や周囲の人たちに迷惑をかけたくない、という気持ちが込み上げてくる。

おじいちゃん先生の妙に落ち着いた説明と、なんとなく問診の時の言い方「コロナの検査をされますか?してもしなくても・・・」の含みの意図が伝わってきたような気がした。

もしも検査をしなかったら──────
そのまま風邪という診断をされ、解熱剤とか普通の薬を飲んで月曜日からちょっと無理してマスクをして出勤したりしただろう。家でも普通に食事したり、お風呂入ったりベッドで寝たりして家族にもうつしていただろう。
そうやって感染は広がっていくんだろうな・・・
自分もどこで感染したのかわからない。かなり気をつけて大人数の飲み会や不摂生を慎んでいたはずなのに、といっても後の祭りで、これから家族に結果を報告して多大な迷惑をかける隔離生活がはじまる。


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ということで、人生2回目のコロナに5類になってからかかってしまった。
まだ熱があるっぽい感じで、寝ていても身体がきしむような感覚。
最近だとテレワークで業務はできなくもないけれど、病気で周囲に迷惑をかけているような状況で”勤務”することは、不条理なことだなと思い、朝から休暇申請をした。

あらためて、日頃の生活をさらに見直して、免疫力を高める努力をしないといけないと痛感した。心身ともに健康であるためには、日頃の習慣だけでなく、世間との付き合い方やストレス発散の方法なども全部繋がっている。

ファスティングも3年ほど続けていて、体脂肪率や肝臓の数値はよくなってきているけれど、年中1日1食しか食べないから、免疫力が落ちてきてしまっているのだろう。

今回も隔離生活で家族や職場の人たちにたくさん迷惑をかけてしまっている。
暑い夏を健康に乗り越えられるように、これを機に免疫力アップを目指した暮らしに改善していきたい。


©︎2023 Mahalopine


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