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【詩】ひとりの出張

住み慣れない街にいる
いまこうしてすれ違う人たちとは
これから一生のあいだで
もう二度とすれ違わないんだろう


地下鉄の社内アナウンス
ここのひとには毎日ききなれた声も
どこか違うひとの声のような気がする
落ち着かなくて、降りる駅を何度も確認する


さっきまでの新幹線の中では
メールやチャット、SNSとか
何人かの人たちとやりとりしていたら
あっという間に時間が過ぎた


ホテルについてテレビをつけたけれど
ここ1年テレビなしの生活だったから
流れる情報が多すぎて、すぐに消してしまった
note記事の音楽を聴いて、気持ちが和む



シャワーを浴びて、ひとりで静かな部屋にいる
さっきのコンビニの店員さんの
大阪なのに標準語の機械的な喋り方が
耳の奥で聞こえてきた



はなれていても、繋がっているものと
ちかくにいても、繋がってないものがある
ひととひとは、相対的な感覚の距離がある

明日また、はじめての街に、ひとに逢いにゆく



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©️Mahalopine


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