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567日記⑤ ~中和抗体薬の点滴ツアー

まだまだホテル療養中。症状は、熱は36度台で、たまにちょっと微熱がでる程度、喉は痛くないのですが、痰が絡んで咳が少し、味覚嗅覚は結構なくなってる感じ。

昨日は日記をお休みしましたが、その間ホテル療養から抜け出して、中和抗体薬による点滴の治療を一泊二日で受けに行っておりました。


***
前回の日記でご紹介した治療。
この治療は現状の症状を抑えるものではなく、1週間後からリスクがある重症化を予防するためのもの。私はアラフィフということと、過去に喫煙歴も長かったこともあって候補に上がったようだ。そういう意味では、重症化リスクのあるセグメントなんだと自覚。


──────29日10時過ぎ。お迎えの車が到着。
6日ぶりにホテルの外に一瞬でれた時の開放感は、なんとも言えずちょっと感動……。嗅覚が鈍っているせいか、外気の匂いまでわからないのが残念。

車にのると、シートに”はい・いいえ”のプラカードと、小さなホワイトボードが……。声を出しちゃいけないという徹底した仕様。

使わずに思わず「はい!」と言ってしまう汗


しばし車で20分ほど走り、
途中には友人が経営する勝どきの居酒屋をマップで眺めながら、
到着した場所は、旧築地市場の場所にある「東京都 酸素・医療提供センター(築地)」というところ。

医療現場の最前線、まさか自分が運び込まれるとは……。



到着して受付をすると、すぐに看護師の方が体調管理の各種センサーをつけてくれる。24時間モニタリング状態。

五六七は関係ないですが、脈拍が50ちょっとしかなくてヒアリングされた。少し注意が必要なのかも……。
不整脈とかないので、加齢なのかなぁ汗
くびから少し重いスマホのようなものをかけて準備完了。

リアルタイムでモニタリング



──しばらくして「中和抗体薬」の治療について医師との確認ヒアリング。
昔営業でよくいっていたグラクソ・スミスクラインさんの「ゼビュディ」という薬のようだった。なんとなく興味深い。
「ソトロビマブ」という抗体が有効であると……。


調べてみると去年12月のニュースでも紹介されていました。
「ソトロビマブを使うことで、有効成分を含まない偽薬の場合と比べて、死亡や入院の割合が79%少なくなった」ということなので、先日看護師さんから聞いた情報の通り。


若い医師の方から、透明な壁越しにナースコールのトランシーバー越しに説明を受ける。
治験の数が少ない特例承認なので、患者の意思確認が必要とのこと。
個人的には新薬とかは、早く試したいタイプなので快諾しましたが。


──場所の雰囲気は撮影禁止なので出せませんが、
私の番号がB54だったので、何棟かあるのかも。広大な敷地のオフィスみたいなスペースに、結構な人数の方が収容されていて、ベッドが並んでいる。
オープンな場所に簡単なつい立てのカーテンがある程度なので、プライベートなスペースはほぼなし。更衣室はありますが、シャワー等がないので一泊程度がちょうどよいのかも。
でもホテルで部屋のドアを開けれない生活からの開放感の中だったので、トイレに歩いて行ったりすることでストレス解消になります。
電話通話エリアという小部屋もありました。

飲み物は、水・麦茶・ポカリスエットがたくさんあります。ポカリがあるのは嬉しい。ホテル療養ではなくて持ち込んでいたのでがぶ飲みしました。


お昼の時間。お弁当は、こちらのセンターの方が少しリッチなのかな。
ピラフのお弁当。電子レンジがないので、冷たいたべものが苦手な私は断ろうかと思いましたが、ピラフなら食べれました(お子ちゃまかw)


***
夕方にになって、いよいよ中和抗体薬の点滴の開始。
50mlのお薬を30分かけて静脈内投与します。
最初、左腕で、血管になかなか入らなくてめちゃ痛かったですが、
右腕にしたらなんとかいけました。はーよかった;;

副作用は、アナフィラキシーを含むアレルギー反応と、
インフュージョンリアクションとして、モノクローナル抗体製剤と呼ばれる薬を点滴した際に起こる体の反応があるようです。
私は特に薬のアレルギーは経験していないので、ある程度安心してましたが、点滴中に何も反応なくてほっとしました。

「このステーションで、ずっと点滴の治療をみてきていますが、副作用でた方をまだ一度もみてないですよ〜」

看護師の方が、優しく話しかけてくれてる。

「看護師の方々は感染は大丈夫なんですか?ほんとお世話になります」

「大丈夫です!ここができてからスタッフ内でまだ一度も感染してないんですよ!すごいですよね😊」

担当していただいた看護師の方が、いろいろお話をしてくれたので、シュールな光景の中で、ほっこりと日常の生活の空気が流れて癒されました。

若い看護師さんや医師の方々には、本当に頭が上がらない気持ちでいっぱいになった。歳もあるけれど、エッセンシャルワーカーの価値とかかっこよさは、あらためて自分達の世代が抱いている価値観と違っていて、これからの価値観であるように感じる。

私が今まで従事してきた大企業の仕事は、DXやIT系のテクノロジーが一般化することで、今まで仕事だと思ってきたことがなくなりつつある。
これからは、人間と人間がリアルに触れ合って、助け合って、社会活動に貢献する本当の仕事の価値が際立って残って輝くのだと思う。


そんなことを考えながら、20時ごろにはうとうと寝てしまっていた。
22時30分頃に一度起きたけど、フロアは真っ暗。
トイレに行った時に、すごく咳き込んでいる人がいたり、知らないおばさんに声かけられてビビりました。
やっぱりいろんな方が不安な気持ちでここに来てるんだろうな。
読書もできないので、またしっかり就寝しました。


一晩、酸素・医療提供ステーションで過ごさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいになった。また、ホテル療養にもどる。


あと4日間。ちょうど23日に発症してから1週間経過。しっかり療養して、いろいろゆっくりと考える時間にしたいなと思った。



©️Mahalopine

記事執筆のための、いろいろな本の購入費用として活用させていただきます!