自然のテクノロジー

僕は最近になって気づいた。

地球の自然が、どんなコンピューターのテクノロジーよりも複雑で精巧で美しいものだということ。当たり前のことなのかもしれないけれどあらためて感じたことだった。

僕は社会人になってから仕事がIT業界だったこともあり、テクノロジーといえば、コンピュータやITのことしか考えられなかった。


人間が作り出したテクノロジーやイノベーションは、狩猟民族時代の火を扱うことから始まって、石器などの道具を作ることになる。
産業革命以降は、石炭や石油などの化石燃料を消費したものに進化した。


IT(インターネット・テクノロジー)などは、その歴史からしてみると、本当に最近の出来事でしかない。
僕が社会人になってからビジネスで扱ってきたテクノロジーは、PCやスマホで扱う上っ面の情報を伝えたり加工したりするだけの、本当に些細なものに過ぎない。

気候変動問題を考える時、自然環境に着眼点を移して人間がつくったテクノロジーをみてみると、いま僕たちが豊かに生活するためにしていることのほとんどが、かけがえのない地球の資源を破壊するテクノロジーだということに気づく。



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足並みを揃える木々。
桜の木は決まった日に一斉に花を咲かせた。
ここ数週間では、イチョウの木々が小さな新しい葉っぱを一斉に出してきた。
ゆっくりと流れる季節の移り変わりを感じて、同じ種族の個々の生命体共鳴しているかのようだ。
生命の営みを力強く感じる。

色彩豊かな花たちの色。
人間は可視光線を通してしか色を感じられない。
僕たちが見ているきれいな色の花は、蝶蝶からみると蜜のところが光って見えるらしい。
どんなに芸術的な絵画よりも、とれだけデジタルの写真を加工しても、自然の色の情報量にはかなわない。
人間が描き出すアートは自然の中の情報を部分的にきりだしたものに過ぎない。


自然のテクノロジーに順応すること。
自然の複雑で豊かで芸術的なテクノロジー。


よくよく考えてみると、それ以上のものはある訳がない。

生きている事がこれ以上でも以下でもない、自然のテクノロジーに順応することなんだろう。




©️Mahalopine


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