題名 「月の灯り」
静かな月の夜に
見上げる空は
穏やかな時を迎え
この身をゆるりと解き放ち
訳もなく溢れる涙が
乾いた先には
ほんのりと暖かさを感じる
笑顔が待つ。
この身体を流れる
血の巡りを辿るように
自身の奥深くへ眠る
捉えて止まない
自縛で封じている身体を
瞳を逸らさずに
掻き分けていく。
心を歩く度に軋む音が
自分へ縛りをかけている
痛みだったと
この身に深く沁みながら
月夜の明かりが眩く照らす。
すべてを知るように
尊い存在だと
この心が気づく時
月の灯りの行方は
自分を許していく