僅かなズレがあるから引き立て合う
いろいろなものを、いろいろに組み合わせて新しい創作を行う事が「取り合わせ」だと私は考えております。
それは簡単ではなく「ただ好きなものを合わせただけ」ではダメですし「良く馴染むだけ」でもダメなのです。それでは退屈なものになってしまいます。それでは水に水を足したようなものです。
単調に合い過ぎている取り合わせは、音楽のメロディで言えば、効果を考えずに複数の楽器で同じ音を奏でているようなものです。(意図的に音に厚みをつけるためにそうするのではなく)
違う音を弾くからハーモニーになるわけで、さらに心地良いハーモニーだけでなく、不協和音で変化をつける事により前後のメロディやハーモニーを際立たせる事も出来ます。
麗しいズレのある取り合わせは、その絶妙なズレゆえにお互いの個性をより明瞭にし合い、単体では分からなかった魅力を引き出し合います。
それは増幅・・・掛け算、累乗です。
もちろん、まるで外れているものでは、取り合わせにはなりません。
大切なのは「根本の波長は合っているもの同士」である事です。そういうものは表面上かけ離れたものでも響き合います。
なので、表面上は似ていても根本が違うものは合いません。
その根本の波長の見極めが出来るかどうかは重要だと思います。
取り合わせは、直接モノを作るわけではありませんが、間違いなく創作です。
それは販売する人や、使う方々の創作になります。
モノ作りが、何かを制作しただけでは、文化的な増幅は起こりません。
それを取り合わせる事、そして使う事によって、いろいろな物事が動き出します。
そこは、いろいろな人が、いろいろな感性や考えで自由に参加出来る場所です。
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