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年が明けた。

2023年の年末は「大阪の生活史」の打ち上げがあり、優勝して"大阪"という文字と大阪府(の形)が描かれているTシャツをいただいた。取材させていただいた松久の大将と参加したのだが、私よりたくさんの人に話しかけられていた。どこでも人気者だ。

仕事納めに向かい、毎日会社で外部の担当者と何時間もリモート打ち合わせをした。毎朝泣いてから出勤した。私の頭がもっと良ければ。

景気のいい会社の忘年会があった。そこでも私はビンゴで優勝し、松阪牛1年分を当てた。毎月色々な部位が送られてくるらしい。取引先の金融機関の方のお話や、外注先の方とゆっくりお話できて良かった。人となりを知っていただければ、
気軽に相談もしていただけるし、私も相談できる。二次会ではテキーラが配られとても馴染める雰囲気では無かったので、社長と子供達と後輩と卓球をした。人生2度めくらい。何でもそうだが、やり始めは上達が分かるので楽しい。

ケリーライカートの「ファーストカウ」を観た

冒頭のシーン後、時間が遡る。暗く人間の手で整備されていない森の中で出会った2人は、ドーナツを作りお金持ちになろうとする。1人が料理をを作り、1人は薪を割り花を飾る。ハチミツとシナモンをかけたドーナツはその場で揚げられ、行列ができる。しかし近い将来必ず立ち行かなくなる商売だった。ケリーライカート作品、後少しのところで行き詰まり、大切なものを手放したり、うまくいかない人生を、うまくいかない人生だったと受け入れがちだ。牛も犬もかわいく、蝋燭の照明も美しかった。数日経ってから、ああ良い作品だったと何度も思い出している。

アキ・カウリスマキ 「枯れ葉」も観た

本当に本当に大好き。デート下手な男、側からみるとめちゃくちゃキュートなんだよな。連れて行く映画を間違えている。ビンゴ屋よりはマシだけれど。愛があればきっと大丈夫、と久々に思える作品だった。小津安二郎に影響を受けてるからか分からないが、お笑いが日本的でささやかなあるあるネタみたいなの挟み込んでくるの好き。

30日、毎年恒例、元町映画館での舞台挨拶つきハッピーアワーを見ました。

1度目はみなみ会館で。今回はロケ地にほど近い元町映画館で、濱口監督野原先生率いるキャストの皆様のご挨拶も。5時間11分、軽率に友人を誘えない上映時間だけれど、何よりも観て欲しい作品だ。自分の人生って、本当にこのままでいつか後悔しない?女性の人生は分岐が多く、もっと働いていれば、子供を産んでおけば、違う人と結婚していれば、結婚していなければ、など思わない人は居ないのでは。ハッピーアワー体験後の私は確実に生きやすくなっていて救われたと実感する。濱口監督の作品はどれもそうだ。自分の正義について、結婚生活について、何を大切にして生きるか、漠然とし過ぎて誰にも相談できないような悩みまで優しく包んでくれるような。本当に素晴らしい作品でした。親密さも、また観たいな。

鑑賞後、濱口監督にサインをいただいたが、あんなにいい人だとは。監督然としてきないというか。自然体でとても素敵でした。あんなの誰でも好きになっちゃうだろ。

映画館から出て、友人と近くを散歩し、適当な店に入る。たまたま今日で閉店なんだ、と大将が言い、花が飾られていた。最後に会いたかったから、と常連さんが来ていた。間も無く閉店の時間だったので、あるものをだしていたただく。店のテレビからはレコード大賞が流れ、順調に歳を重ねた私と友人は「これは誰や」「区別がつかん」など野次をとばしながら楽しく観る。大将が出してくれた魚や野菜の焼き物、スッポン雑炊はどれも美味しく、おまけにタコとわけぎのぬたも出してくれた。また来ますと言えないのが寂しい。
いい年末になった、ありがとう、と繰り返し伝えながら帰る。

31日からは実家の松阪へ。すき焼きを食べて、紅白を見て寝る。正月もお笑い番組をつけながらウトウトする。溜まっていた疲れたがドッと出て、1日中朦朧としていたな、というほど眠った。

1日。ECサイトから謹賀新年のメルマガと、挨拶のバナーを作って貼る。昨年はこんなこともできるようになりました。

数日実家で美味しいものを食べて帰阪。
片付けが億劫だ。

すぐ会社が始まったが、コロナだらけで機能していない。スタッフ全員衛生観念が稀薄でマスクしている職員もまばらだ。咳をしていても「検査で陰性だったし」と出社する者、具合悪くても出社するのがかっこいいと思っている者、どれだけ死者が出てもアップデートしなくてすごい。ロックがかかっているのだろうか。

私は年明け早々EC店舗1つがタイムラグによるエラーで壊滅的な被害。パソコンを車道に放り投げて失踪しようと思ったが何とか帰宅。休みをもらっていたので丸一日リビングから出られず泣いて食事もできなかった。ただ私は気軽に「助けてください」と言える環境を予め作っておけるのが我ながら強みであると思う。無能が辿り着いた切り札だ。担当ベンダーさんから「エラー直しましたよ!」と連絡が来た。

しかし気分が晴れることもなく、体の中にパンパンにヘドロが詰まっている感覚。数年ぶりにODをしたからかもしれないが
勉強以外元気になる方法を知らないのでやるしかない。


誰にも私を軽率に評価させない。
せめて達成感は独り占めさせて。

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