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寒竹さんのインタビュー講座に参加して思ったこと

2月11日の月曜日、祝日。
小説家で理系ライターの寒竹泉美さんが講師を務める「インタビュー記事入門講座」に参加してきた。

フリーランスのライターになって、ようやく8年目。
誰に教わることもなく、成功と失敗を繰り返しながらなんとかいままでやってきたけれど、ときどき「この方法で合っているのだろうか……」と思うことがある。ありませんか? 私だけかな??

とくにインタビューにおいては、ほかのライターさんと現場で一緒になることはまずなくて。
同席した担当者さんから、「話の膨らませ方がうまいですね~」とたま~に褒められることがあっても、(本心だろうか……初対面だし、お世辞ではないだろうか……)とイマイチ自信が持てない。
自信が持てないどころか、ここだけの話、毎回緊張しながらインタビュー前に会場周辺を1時間以上ウロウロして、トイレに何回も行って、穴があくほどインタビューシートを凝視してとか、いまだにフレッシュな行動を取り続けている私。

ほかのライターさんがどんなふうにインタビューをしているのか見てみたい!
でも、今さら同行させてなんて言える立ち位置ではない……。

そんなときに寒竹さんの講座のお知らせを見て、「これだ~行きたい!!」と熱くなり、「2月11日、母はおらんけどみんなガンバレ!」と家族に伝え、無事に(強引に?)参加が決まったのであった。


今回の講座は、講義+ミニワークの形式。
2時間ってわりと長いのかなあと思っていたけれど、本当にあっという間。
寒竹さんのお話がすごくわかりやすくて、資料も見やすくて、最後のほうは「ああ、終わらないで……もうちょっとだけでもお願いします……」の気持ちだった。
それくらい充実した内容で。

また4月に同じような講座を実施されるとのことなので、ここでは私が「本当にそうだなあ」と思ったことを少しだけピックアップして、完全に私目線で書き留めておきたい。

まず改めて思ったのが、インタビュー記事の「インタビュー」部分ってほんの一部だなあと。
準備段階で詰めなければいけないことがたくさんあって。
たとえば、記事の目的を共有せずにぼや~んとしたままインタビューにのぞむと、そのまんまぼや~んとした記事になってしまう。
ああ、おそろしや。

時間がないからとか、いろいろ聞くと相手の手間になるからとか変に気を遣わず、これからつくるインタビュー記事は誰に向けたものなのか、読者のどんな行動につなげたいのか、掲載されるメディアでの記事の立ち位置はどうなっているのか、ここをしっかり聞き出してすり合わせしておかないと、まったく的外れな記事に仕上がってしまうのだ。
キャ~こわいっ!!

たとえばある疾患について紹介する記事であれば、対象となる読者が専門知識を持った人なのかそうでないのかで全く変わってくるし。
原稿は書き直せるけれど、インタビューは一発勝負。
記事に関わるすべての人のあいだで記事のイメージを共有して、インタビューシートに落とし込む必要がある。

ジャンルによってはそのときの化学反応みたいなものを期待して、あえてノーガードで行く案件もあるのかもしれない。
ただ、少なくとも私が関わる案件では、それはないなあ。

医療関連の案件を受けていると言うと、「わ~すごい」とか言われることもあるのだけれど、私は全くすごくない。すごいのは、忙しいなかインタビューを受けてくださる医師や専門家の方々なのだ。
一方で、資格を持たないのに医療に首を突っ込んで……みたいなご指摘を目にすることもある。
私が役に立てるかなと思うのは、医療案件のなかでも読者が専門知識をあまり持っていないパターン。(なおかつ、薬事や法律面などにおける記事のチェック体制がしっかり整っている案件。)
とくに研究者の方だと、「一般の人が何をわかっていて、何がわからないのかわからない」場合もあり、私の質問を聞いて「あ、そこから説明したほうがいいのか〜なるほど」と言われることもある。

それは、企業の広報サポートのお仕事においても同じことで。
企業のなかにいる方だと、自分たちの魅力に意外と気づけないというか、「え? アピールするところってそこなの? ほかの企業はしてないの?」となることも。

今回の講座の正式なタイトルは、“相手の魅力を引き出し伝える「インタビュー記事入門講座」”なのだけれど、まさにそれ。
インタビューって、みんなが知らないその人の魅力を引き出すための実に有効な手段だなあと思うのだ。

だからこそ、なんの下調べも準備もせずに行くと、表面的な話で終わってしまう。
誰に伝えたいのかがしっかり握れていないと、伝えたい人には届かない。

あと、なぜ取材を受けてくれるのかを把握しておくことも、インタビューをスムーズに進めるうえではとても大切とのこと。
これも本当にそうだなあ。

だいぶ昔、当日になるまで誰が来てくれるかわからないという、私の緊張感を限界まで高めちゃうインタビュー案件を担当したことがある。
どうやら直前に無理にお願いしたようで、インタビューの目的を共有できず、最後はもう時間ないからと着地できていないのに急に終わりを迎え、どう書けばいいのか途方にくれてしまった。
結局、なんとか肉付けして書き終えたのだけれど、やっぱり記事の方向性を変えたいみたいな話になり。

なぜインタビューを受けてくれるのかどころか、誰が取材を受けるのかすら把握できていない、これはひとえにコミュニケーション不足。時間も足りなかったけれど、コミュニケーションにおける課題が大きい案件だった。
猛省。

また、伝えたい人に届けるためには、自分が聞きたいことではなく読者が聞きたい質問を考えることが大切だというお話もあって。
確かに、読者のことをきちんとわかっていなければ的外れな質問になり、的外れな記事になっちゃうよなあと。
なんせ下調べ、すり合わせ、大事。コミュニケーション、大事。事前準備がとっても大事なのだ。

このほか、講座ではミニワークをはさみながら、インタビュー当日の段取りや注意点、インタビュー後に執筆する際のポイントについても具体的にわかりやすく紹介されていて。
執筆については、「しゃべったことをそのまま書いても記事にはならない」という寒竹さんの言葉にそのまま集約されると思う。
ではどうすればいいのかは、4月の講座でぜひ。

それにしても、いままで手探りでやってきたこと、それがすべて言葉になって、新たな気づきとともにストンと自分のなかに落ちてくる2時間だった。
インタビューってやっぱり難しいなあと思いつつも、なんだか興奮してきて、講座後のランチ会ではお酒でも飲んだのかってくらいハイテンションになってしまった。
まるで火がついたみたいに。

一緒にランチを食べたライターさんたちもノンアルではないなっていう雰囲気だったので(笑)、もしかすると私と同じように興奮していたのかもしれないなあ。
寒竹さんパワーだ。すごい。

私がインタビューをお願いするのはほとんどが医師や専門家の方なので、インタビューを通して私はいつもたくさんの気づきや発見をいただいている。
読者に伝えるという目的を果たしつつ、もし、万一、インタビューを受けてくださった方にも何かプラスになることがあれば、こんなにうれしいことはないと思う。

それにはまだまだ実力が足りないなあ。
だからこそ、こうやって講座に参加したり、本を読んだり、いろんな人の話を聞いたりして、自分が役に立てる場所をしっかり見極めてスキルを磨いていきたいな。
ほかのライターさんが担当されたインタビューの文字起こしとかもやってみたい。

あ~やりたいことがいっぱい。
まだまだ、これからだ~!!

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