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友だちの彼氏に怒られたこと

失敗をズルズル引きずることはあまりないけれど、ときどき思い出して胸がチクッと痛むことがある。
今日はそんなお話を。

私の実家は小さな建設会社を営んでいる。
なので、幼い頃から建設機械に触れることが多かったし、家族の会話にも「生コン車」とか「ダンプ」といったワードはよく出ていた。

なかでも私が好きだったのは、ショベルカー(油圧ショベル)。
みんな「ユンボ」と呼んでいて、父の会社を手伝っていた祖父はとくに扱いがうまく、器用に操る姿は本当にかっこよかった。

で、何年も前の話。
友だちの彼氏が建設機械の開発に関わっていて、会社主催のイベントに誘ってもらい、一緒に出かけた。

会場にはショベルカーなどの大型機械が展示されていて。
動かす人もかっこいいけど、こんな大きなものをつくるとかすごすぎる……ってちょっと興奮してしまい、「わーすごい!! おっきなユンボやねえ!!」って友だちとワイワイしゃべってたら、「ユンボって言うな!」って彼氏に怒られてしまった。

ごめんなさいって謝ったけれど、実はなんで怒らせたのかその時点ではよくわかっておらず。
帰って調べたところ、ショベルカーにはいろんな呼び方はあるけれど、ユンボは要するにほかの企業の商品名だったことを知る。

そりゃ怒られるわ。
ペプシの人を前に、ペプシ飲みながら「このコカ・コーラおいしいね!!」って言うようなもんだ。

彼氏はすぐ話を切り替えてくれたし、それからも会場で楽しく過ごしたんだけど、いまでもときどき思い出す。
私は怒らせたというより、とても失礼なことをして傷つけてしまったのだなあと。

自分が当たり前のように使っている言葉のなかにも、きっとまだ誰かを思わぬところで傷つけてしまうものがあるかもしれない。
できればそれは防ぎたい。

これは、私が知っている言葉でもとりあえず辞書をひき、確認するきっかけとなった出来事。
今日、年賀状のリストをつくりながらふと思い出して、そしてやっぱりまた胸がちょっと痛んだ。

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