#218 現実・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月22日(木)22日目・・・4
機内でのほとんどの時間を、どんよりと重い気持ちのまますごした。
21:30頃、やっとのことで羽田空港に着いた時には現実に戻され、脳内に【現実・げ・ん・じ・つ!!】と浮かんできた。
力なく飛行機を降り、スーツケースを転がしながら、借りていたwifeルーターを返却し、さっさとモノレールに乗る。
3週間の夢から覚めて、再び【現実・げ・ん・じ・つ】が出てきた。
消しても消しても脳内に浮かんでくる【現実・げ・ん・じ・つ】。
しつこいなぁ、もう!! 悲しすぎて苛立った。
浜松町から山手線に乗る。疲れきったサラリーマンたちが、さえない表情をして無言で乗っていた。
大きなスーツケースと荷物を持って立っていたが、席を譲る人はおらず、せっかく空いた席も、座ろうと思った瞬間に、OLらしき人がサッと座ってしまった。
電車が揺れて誰かにぶつかられたが、誰も謝らない。
チャラいお兄さんが女性のカバンを蹴っても、故意ではないのか気づかず、私よりすこぉ~しだけ年上らしきおばさんは、公共の場で大いびきをかいて寝ている。
賑やかで、穏やかで、親切な人がいっぱい乗っていたNew Yorkの地下鉄が、恋しい。
自宅の最寄り駅までの地下鉄に乗ると、大勢の無表情な人たちが乗っていた。自分もその中に段々と戻っていく現実に、悲しくて悲しくて、わぁーっと泣き叫び出したい気持ちになった。
残業疲れのサラリーマンたちと、自宅の最寄り駅に着いた。ラッシュアワーはとっくに終わり、人もまばらな駅の改札を通り、家路に着いた。
3週間ぶりに自宅に帰ると、灯りのともった部屋で、長女が快く迎えてくれたことが救いだった。
3週間ぶりにゆったりと湯船につかったときには、夢の中にいたような3週間が、すでに遠い遠い記憶の彼方に行ってしまったように感じられて辛くなり、あまりの悲しさに、湯船につかりながら嗚咽が漏れた。
何事かと心配して覗きに来た娘に、
「お母さん、大丈夫?」
と優しく言われたら、さらに悲しくなって、恥ずかしながら、いい歳をして大号泣してしまった。