#111 【The Phantom of the Opera 】•••ニューヨーク1人旅 2018年11月9日(金)9日目•••8

Majestic Theater(マジェスティック・シアター)に並んだ列が少しずつ動き出し、いよいよ劇場内へ入る。
チケット販売の窓口を通り抜け、ロビーに入り、チケットを握りしめていると、スタッフが話しかけてきた。理解はできなかったが、おそらく席を案内してくれようとしていたのだろう。
チケットを見せてスタッフの後について場内に入った。

スタッフに示された方へ進み、座席番号を見ながら見つけた自分の席にびっくり仰天! な、な、なんと。最前列のド真ん中だった! ひょえぇぇ~。 

音楽が楽団員による生演奏のため、最前列の座席から、地下に設置された楽器や椅子が並んでいるのが見えた。

いやぁ、確かに、宿のオーナー・陽子さんのアドバイス通り、オーケストラと希望はしたが、まさかまさかこんなにど真ん中のど真ん前でなくてもいいのだが……。舞台上が見えすぎて、こちらが恥ずかしくなる近さだった。

ふと横を見ると、数席離れたところに日本人の親子が座っており、あちらもあちらで自席に驚いておられた。

うん、ここなら眠くはならない。この席で寝てしまうようなミュージカルなら、よほどつまらない内容なのだろう。けれど、言わずと知れた【The Phantom of the Opera 】である。どこまで理解できるかはわからないが、
理解できるように食らい付いてみようと思った。

座席に座ると、膝小僧から少し離れた手すりの向こうは地下の演奏スペース、そこを挟んで目の前3m先は舞台上。あまりの近さに戸惑っていると、
地下の演奏ブースで続々と演奏者たちが準備を始めた。
いよいよ始まる。
そして舞台上に現れたPhantomさんを真っ直ぐ見たら、足首だった。
さらに、腕を伸ばしたら触れてしまう位置に、指揮者の後頭部があった。

途中、数十分の休憩を挟み、全行程2時間30分強。
寝るどころか、次から次に感動の波が押し寄せてきて、震えた。
見ておいた方がいいと薦めてもらったことに心底感謝し、ミュージカルを観るなど眼中になく、観光行程から外していたことや、英語が分らないため寝てしまう不安を持っていたことを、思いっきり恥じた。

あまりに感動したため言葉が見つからないが、素晴らしかった。
役者のクオリティの高さは日本とは比べ物にならないことは、素人の私でも分かる。次々に展開する舞台装置も、同じ舞台上とは思えないほどガラリと変わった。きっとこの先どこでどんな舞台を見ても、これ以上素晴らしい舞台は、もうないのではないかとさえ思い、感動で震えた。

ただ1つだけ残念だったのは、座席が前すぎて、舞台上の全体が見られなかったこと。見えないところで何が起きているのか知りたかった。
けれど、とにもかくにも、本当に素晴らしい舞台に大満足だった。

終演後、地下のおトイレに行ってみると、彫刻のライトや薄暗い間接照明がさらに雰囲気を盛り上げていた。

劇場を出ると、他の劇場で行われていた舞台も同じ時間帯に終わったらしく、劇場周辺は、人でごった返していた。それでも人の波について歩いていくと、W.44th Stの入り口、そしてTimes Squareに出た。
ここからはもう大丈夫。
素晴らしい舞台観劇の感動の余韻に浸りながら、宿に戻った。

日付けが変わりシンデレラタイムの帰宅となったが、奇跡的に迷うことなく、迷子にもならず、すんなりと宿に辿り着けた、素晴らしい夜だった。

 ※  ネタバレになるので舞台内容の詳細は控えました。
【The Phantom of the Opera 】は、2023年4月16日をもって、35年続いた講演終了が発表されています。

 

★  9日目に行った所  2018年11月9日(金)
・メトロポリタン美術館    
・Majestic Theater(マジェスティック・シアター)
  【The Phantom of the Opera 】

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