#45 憩いの場・Barnes & Noble・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月3日(土)3日目・・・4

グリーンマーケット(青空市場)を出ると、目の前にBarnes & Noble(書店)を発見。

行きたいお店の1つだったので、滞在中にどこかで見つけたら入ろうと思っていたのだが、2日目にして、偶然にもあっさりと見つかり嬉しくなった。

さっそく入ってみた。
英語がわからないので、入店してもつまらないと思いきや、雰囲気だけでも充分楽しめる。
1Fには文具やマグカップ、絵はがきやメッセージカード、おもちゃや雑貨が並んでいる。
広い空間、まあるい窓の造り、背の高い本棚。スケールが大きい。

驚きなのは、購入前の新品の本を、併設されたStarbucksでドリンクを飲みながら、タダ読みできることだ。
10年ほど前に、New York在住だったタレントさんが、テレビで憩いの場として紹介していた。私もNew Yorkerを気取ってやってみる予定だった。
ところが満席で、他にNew Yorkerを気取れる場所が見つけられなかった。
それに、ここで飲んだら後でまたおトイレ探しをしなければならないと思うと、ちょっと尻込みをしてしまった。

友人と長女に絵本をお土産にしようと思い、階下へ降りるためエスカレーターに乗ろうとすると、止まっていた。
〝あ、これか〟。
New Yorkのエスカレーターはよく止まると、どこかの情報で得ていた。皆、階段のようにトントントンと降りていたので、その後を続いて私も階段のように降りた。
New Yorkerにとっては珍しいことではないし、チェッと思うかもしれないが、こんな小さなトラブルに出会えただけでも、観光者の私には嬉しい出来事だった。

上階から1階まで見回ったが絵本は見当たらなかった。こうなったら聞くしかないのだが、絵本の英単語がわからない。そこでiPhoneを取り出し〝絵本 英語〟で検索すると〝Picture book〟と出た。なんだ、そのままではないか。さっそく空いているレジのお兄さんに尋ねた。
「Where is picture book?」(正確にはisとpictureの間にtheが入る)
Theを抜かしてしまったが、このくらいなら私でも聞ける。
レジのお兄さんは親切に教えてくれたのだが、ヒアリングがまったくできないのでわからない。ただ、お兄さんは〝ワンフロア〟と言いながら下を指差してくれたので、絵本は地下にあることが理解できた。お兄さんの真似をして私も下を指さしながら
「down?」
と聞いてみた。お兄さんは〝そうだよ。地下に降りるんだよ〟そう言っているようだった。

店内を見回すと、近くに下りエスカレーターがあり、地下へ降りた。
まだ11月初旬だというのに、早くもクリスマスの絵本があり、あちこちにサンタクロースがいた。

地下の絵本売り場で、長女に絵本を買った。けれど内容は全く分からず、ポップな絵が楽しそうなのと、飛び出したビーズのような、ひっくり返る仕掛けが気に入って購入した。
ビーズは手でなぞるとひっくり返り、色が変わるようになっていた。宿のオーナー・陽子さんによると少し前からNYではやっているとのことだった。
けれども、そんなこととは知らず、私は、少しめくれていた仕掛けを、不良品だと思ってしまい、近くにいた店員に絵本を差し出しながら、思いっきり日本語で、
「これ、不良品みたいなんですけど……」
と訴えた。すると店員は無言で、掌で仕掛けをサーッとなぞりながら、見事にビーズをひっくり返してみせた。ああ、なるほど。

帰国して半年ほどたった頃、勤め先で、子どもたちのTシャツについていることが多くなり、NYを懐かしく思い出しながら見つめていた。

結局、憩いの場でNew Yorkerを気取ることはできなかったけれど、いつかやってみたいことリストには加えておこう。

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